中国当局、大陸作家らのペンクラブ国際会議参加阻止

【大紀元日本2月7日】国際ペンクラブのアジア環太平洋国際会議がこのほど香港で開かれ、同会議に招待された女性作家・章イ和氏を含む中国大陸作家20数人の参加が中国当局に阻止され、言論出版自由が深刻に蹂躙されたことを厳しく譴責した。

国際ペンクラブは2月5日、香港で記者会見を開き、中共当局が中国大陸作家20数人のアジア環太平洋国際会議の参加を阻止したことに対し、中国憲法で定められている言論・出版の自由が侵害されたと指摘した。同クラブの事務局長は「中国大陸作家は自由に文章を書き、自由に旅行をし、自由に結社することを制約されていることに強く関心を寄せている」と語った。

今回の会議では亡命作家、女性作家、審査制度、インターネット出版と著作権などのテーマについて討論を行われた。世界で101カ国に144の支部を持つ同クラブは2月2~5日に、香港で初めてのアジア環太平洋国際会議を開き、20数カ国の120数人が参加したが、大陸作家40人のうち、20数人が香港への入国を拒否されたという。

*禁書され警告を受けた章イ和氏

今回の会議に参加できなかった大陸作家の半数以上が、香港への通行証の発行が拒否されたためであるのが分かった。その他の欠席者は中共当局の警告を受けたため、香港への会議参加を止めたという。禁書となった「伶人往事」の著者・章イ和氏がその中の1人で、章氏は著作が出版禁止されたのち、当局の警告を受けたという。

独立中国語作家協会の張裕・事務局長によると、香港とマカオの通行証を所持している章イ和氏およびその他多くの作家たちは、香港には何度も訪れたことがあるとし、全く問題はないはずだと主張した。「章氏は会議での最初の発言者になっており、参加する計画をしていたが、当局関係者らからの勧告で計画を取り消したのだ」と語った。章氏は会員としてではなく、特別ゲストとして招かれたという。

一方、作家・秦耕氏の通行証は押収され、ツァン愛宗氏および趙達功氏は中共出入国検査で出国拒否されたという。現在、香港入国に成功した大陸作家は15人しかいないことから、同クラブは国際社会に対し、中国の言論の自由に強い関心を寄せるよう呼びかけた。

同クラブ関係者は、中共当局のやり方は、中国の言論・出版の自由における問題がさらに浮き彫りされたとし、中共が作家の創作、旅行および結社を制約していることに対し、強く関心を寄せたことを明らかにした。また、今年1月から、中共当局は五輪開催に当たり、海外報道者に対して取材の制限を緩めたが、胡錦濤・総書記は同時に中国国内のインターネット監視を強化したことから、同クラブ関係者らは「中共当局は内部に厳しく、外部に緩和するやり方は、国際社会に混乱した情報を与えている」と指摘した。

北京の作家・劉暁波氏は、発行物を禁止する行動はすでに中共の統治の一部になっていると指摘した。劉氏は、今回の出国禁止は独立中国語作家協会に対してのものとの見解を示した。

「国境なき記者団」によると、中国の報道状況は少し改善され、同団体は中国を訪問することもできるようになったが、中国の報道の自由度は依然として世界下位の5位にランキングしているという。

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