中共の危機意識、武装警察100万人に増強
中共指導部高官による論文が12日、中共刊行物『求是雑誌』で発表され、武装警察100万人の作戦能力向上について論じられた。民衆や軍人らの相次ぐ抗議運動などの国内社会不安、さらに「中国を包囲する」外国敵対勢力に対し、中共は警戒感を強めていることがうかがえられる。
ロサンジェルスタイムス13日の報道によると、1989年の天安門事件では、人民解放軍が市民に発砲、国際社会の指弾を浴びたが、中共はそれ以来、武装警察の強化に乗り出している。アナリストの一部によると、北京当局はここ15年、武装警察に多額の予算を充当、解放軍から退役者を配置し、訓練を強化、装備を刷新など、国内騒乱時には軍隊でない武装警察で秩序を維持してきたのだという。
12日の中共官製側発表の文章によると、「大規模騒乱事件」を対応するのに、武装警察の力が保証されるべきという。それは中国国内の住民不安が増大している顕れ。中共発表の数字によると、中国は2004年、抗議暴動に関係した騒乱事件が74,000件あり、2003年に比較して58,000件増加した。当文章はまた、「西側敵対勢力」は中国を包囲して分裂させようとしていると批判、背後に外国からのサポートがあるNPOとNGO団体が、民主を提唱し、共産党のコントロールを滅する企てがあると攻めた。
中共公安部は11月の電話会議で、中共の政権に脅迫的存在とされる幾つの項目を挙げた。政府官僚の汚職、農民の土地収奪、貧富拡大などで、民衆の怒りは日増しに高まっていること以外、チベット族、台湾独立、新疆ウィグル族、法輪功、海外亡命の天安門民主運動家なども敵としてリストされた。
西側アナリストは、中共武装警察を1991年時の60万人体制から、現在では120万人を超えたと見ているが、中共当局は国家機密として情報公開していない。
米国シンクタンク・ランド社の中国問題専門家、マレー・スコット・タナー氏によると、北京武装警察の中には陳情者に同情する向きもあり、その士気に低下が見え始めているという。