米シンクタンク、「中国政府のメディア統制」シンポジウムを開催

【大紀元日本11月16日】中国政府のメディア統制に関するシンポジウムが1日、米国ワシントンのシンクタンク・ヘリテージ財団で行われ、中国の報道現場について個人的な体験を持つパネリストたちが講演した。

「メディアは中国の民主化を測るバロメーター」をテーマに、国家のメディアに対する姿勢は、その批評に寛容か、国民を信じて真実を明かすことができるかという、民主主義の一つの指標となるものとして、中国の民主化をメディアの側面から測ってみようというもの。当財団は、極東の政策について、研究者の視点からシンポジウム、講演及び出版等を行っている。

パネリストのセデウス・マッコター下院議員(ミネソタ州選出)は、米下院中国政策決定委員会の委員として過去に中国の人権問題を取り上げたことに触れ、「経済発展が中国を必然的に民主化に導く」と唱えてきた。しかしながら、「長期にわたる経済の好調がかえって民主化の新たな障壁となってきた」と述べた。「メディアは来るべき時代を占う先導者。中国は、衛星情報、電子メール、海外ラジオ電波などを統制しているが、悪いことに西側の企業がこれに拍車をかけている。全体主義の政府に協力などしていて、西側はどのような民主主義を中国で実現できると考えているのか」と聴衆に疑問を投げかけた。

次いで「国境なき記者団」ワシントン支局長のルーシー・モリロン氏は、「中国の新華社通信は政府の宣伝媒体で、当局の許可がなければ何も報道できない。現地で取材しようとするジャーナリストは目障りな存在であり、情報源は確認しないこととなっている。報道の自由のない中国では、今でもジャーナリスト31人が収監されている」と述べた。

1985年から90年の間、ワシントンポスト紙の北京支局長を歴任し、現在「ラジオ・フリー・アジア」の副社長ダン・サザーランド氏は、「高級官僚の腐敗は彼らが失権しない限り調査されない。農村の暴動と陳情は取材されない。宗教的なものも避けられ、法輪功に対するプロパガンダも取材されることはない」。

「ローマ教皇が死亡した時にも、国内のカソリック教徒がインタビューを受けることはなかった。共産党の歴史は秘せられ、文革で何百万人が死亡したかは論じられることはない。ニューヨーク・タイムズの記者は江沢民が軍事委員長から降りる記事をスクープしただけで一年近くも収監されました」。「外国の出来事に関する取材もない。軍事技術の海外売却は触れてはならないもの。中国国民は台湾の発展を知らない。2003年7月、香港市民50万人余りが北京当局の第23条に反対してデモを行った事も取材されずに写真が掲載されることもなかった」。

香港最大の日刊紙「アップル・デイリー」コラムニストの劉金明氏は、「1997年に香港が中国に返還されてから、当地の報道の自由は徐々に変質した。当局の圧力によってライターは書くべき記事を自己検閲するようになってきた。元々、香港は中国本土に民主的な影響を与えることを期待されていたが、ジャーナリストたちは中国官僚のようになってきた」。

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