食後の眠気やだるさを和らげるには 中医学に学ぶ食べ方と3つのツボ

食事の直後に眠くなることはありませんか。「フードコーマ」とも呼ばれるこの感覚は、年齢や、デンプンのとりすぎのせいだとされることがあります。

アロマ中医クリニック院長の李嘉菱氏は、新唐人テレビの『健康1+1』という番組で、食事のあとの眠気は、脾胃の機能が弱っている警告サインだと述べました。極端な糖質制限や、プロテインパウダーに頼るのではなく、まず脾胃を養うべきだと提案しました。

中医学でいう「脾胃」は、個々の臓器だけでなく、消化、吸収、運搬、代謝を担う一連の機能の体系を指します。脾胃が正常に働いていれば、栄養が頭まで運ばれ、食後も頭がすっきりしています。ところが、脾胃が弱いと、栄養をうまく代謝できず、めまいや疲労感、頭にもやがかかったような感覚(ブレインフォグ)につながることがあります。
 

食後の眠気のタイプ

食後の眠気は、脾胃の働きに加え、食べるものの種類と体質に関係すると、李氏は言います。

脾が弱いと、体内に代謝の老廃物がたまります。中医学では、これを「痰湿(たんしつ)」と呼びます。痰湿体質の人は、糖尿病や高コレステロールになりやすく、血流が悪いために、栄養が頭まで届きにくいことがよくあります。こうした人は、揚げ物やデザートを食べたあとに、とくに強い眠気を感じることが多いです。

肥満で、筋肉量が足りない人もいます。こうした人は、何を食べても疲れやすく、とくに油の多いものを食べたときにその傾向が強くなります。

筋肉量は代謝の能力と密接に関係していると、李氏は言います。筋肉が不足すると、代謝とエネルギーの利用が落ち、食後の疲労や眠気が起こりやすくなります。
 

デンプンを避けることの落とし穴

食後の眠気はデンプンのとりすぎが原因だと考え、白米をやめたり、野菜と肉だけを食べたり、さらには食事をプロテインパウダーに置き換えたりする人が多いと、李氏は言います。しかし、こうして主食を抜くと、かえって脱力感や疲労が強まることがよくあります。

白米などの自然な穀物は、実は脾を養うために大切です。体に本当に負担をかけるのは、パンやケーキ、甘い加工食品などの精製されたデンプンだと、李氏は言います。

プロテインパウダーは、朝食には手軽で便利ですが、吸収が速く、高度に加工され、香料などが加えられているため、消化力が弱い人には、アレルギー、お腹の張り、消化不良を起こすことがあると、彼女は注意を促しました。魚、肉、卵、豆といった自然なたんぱく質源のほうが、一般に体は吸収しやすいとのことです。

李氏は、血糖値の高さを恐れて、米や果物を断ち、野菜だけを食べていた仏教の僧侶の例を紹介しました。その結果、僧侶は極端にやせ、血糖値は改善しませんでした。中医学では脾と膵の働きが密接に関係していると、李氏は指摘しました。過度な食事制限は、かえって膵臓の機能を消耗させ、血糖値の管理をいっそう難しくすることがあります。
 

専門家が教える 脾を養う方法

食後の眠気を改善するには、まず生活習慣を見直すことから始めるよう、李氏は勧めました。最も簡単なのは、食後に10~15分、立っているか、軽く体を動かすことです。『サイエンティフィック・リポーツ』誌に掲載された研究では、食後に10分歩くと、血糖値の上昇を効果的に遅らせられることが分かりました。
 

健康的な食事の4原則

健康的な消化と栄養の吸収を支えるために、李氏は次の原則を提案しています。

  1. 規則正しく、バランスの取れた食事をとる:減量のための注射や、過度な食事制限のために、1日1食だけにしないでください。筋肉が減り、あとで体重が戻りやすくなります。
     
  2. 食べる順番を一定にする:肉、野菜、デンプンの順で食べます。
     
  3. ゆっくり噛む:1回の食事に20~30分かけます。早食いは、自律神経や胆汁の分泌に影響し、脾胃の負担を増やします。
     
  4. 平性の食品を選ぶ:中医学でいう平性の食品は、性質が穏やかで、体を刺激しにくいとされます。
     

脾を強くし、消化を助ける3つのツボ

食後に眠く、体が不快なときは、消化を支え、代謝を高め、頭をすっきりさせるために、次の3つのツボをマッサージするよう、李氏は勧めています。

1. 足三里(あしさんり)

すねの骨(脛骨)の前外側で、外側の膝眼(ひざのくぼみ)の約7.6cm(指4本分)下にあります。「足三里」は長寿のツボとして知られています。

 

2. 豊隆(ほうりゅう)

外側の膝眼と外くるぶし(外果)を結ぶ線の中点にあります。押すと、だるいような痛みと張りを感じることがあります。「化痰(痰湿を取り除く)のツボ」とされ、油の多い食事をとりすぎた人、減量したい人、食後に眠くなる人に適しています。

 

3. 風池(ふうち)

後頭部で、後頭骨の下にある、2本の太い腱の間のくぼみにあります。頭をすっきりさせ、巡りを促し、頭の重さを和らげるとされています。

 

(翻訳編集 日比野真吾)

英文大紀元が提供する医療・健康情報番組「健康1+1」の司会者を務める。海外で高い評価を受ける中国の医療・健康情報プラットフォームであるこの番組では、コロナウイルスの最新情報、予防と治療、科学研究と政策、がんや慢性疾患、心身の健康、免疫力、健康保険など、幅広いテーマを取り上げている。
Shan Lam