迫りくるAIバブルの「噴煙柱崩壊」 デジャブを感じさせる既視感
論評
現在のAI関連金融資産のバブルは、住宅市場の過熱によって引き起こされた世界金融危機(GFC:Global Financial Crisis)や、「世界を代表するエネルギー企業」と称されたエンロンが、経営陣による巨大な金融詐欺によって劇的に崩壊した際の警告サインと、ますます似通ってきている。その共通点と相違点は、「歴史は繰り返さないが、しばしば韻を踏む」ということを、改めて示している。
エンロンには、実物資産と実際の収益を伴う正当な事業が存在していた。しかし、巨額の損失や債務を隠すために簿外取引の仕組みが乱用されたことで、その事業は蝕まれていった。エンロンの不正は、自分たちが何をしているのかを正確に理解していた経営陣によって行われた。そして彼らは、ウォール街の金融機関や自社の会計士、弁護士にも多額の報酬を与え、不正に協力させていた。
関連記事
米公的債務が40兆ドルを突破。膨らみ続ける巨大な借金は、将来の脅威というだけではなく、インフレや金利高騰を通じた「現在の生活費危機」そのものだ。財政規律を失った現状と経済崩壊の現実的なリスクに警鐘を鳴らす
米加貿易交渉の決裂背景にある、メキシコ・カナダを経由した中国製品の「大規模な積み替え貿易(関税逃れ)」の実態を論評。USMCAの優遇措置を悪用する問題点と、北米3か国が直面する現実的な選択肢を解説します
カナダと米国の対立背景にある「経済安全保障」の課題を解説。米市場へのアクセス維持と中国への依存回避という板挟みのなか、CUSMA交渉でカナダが直面する主権と強靭な戦略的バランスの必要性に迫る論評
中国が北極圏での存在感を拡大している。北方海航路の利用や軍民両用の研究施設を通じて地政学的影響力を高める北京に対し、民主主義諸国が「第二の南シナ海」化を防ぐため警戒と規制を強める動きを論評する
中国経済は消費の低迷や不動産危機、投資減少により厳しい現状に直面しています。唯一の支えである輸出も世界的な反発に晒されており、今後の成長持続には不透明感が漂う背景と現状を解説します