2026年7月24日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の取引フロアに設置されたデジタル画面に表示される市場の取引情報。Angela Weiss/AFP via Getty Images

迫りくるAIバブルの「噴煙柱崩壊」 デジャブを感じさせる既視感

論評

現在のAI関連金融資産のバブルは、住宅市場の過熱によって引き起こされた世界金融危機(GFC:Global Financial Crisis)や、「世界を代表するエネルギー企業」と称されたエンロンが、経営陣による巨大な金融詐欺によって劇的に崩壊した際の警告サインと、ますます似通ってきている。その共通点と相違点は、「歴史は繰り返さないが、しばしば韻を踏む」ということを、改めて示している。

エンロンには、実物資産と実際の収益を伴う正当な事業が存在していた。しかし、巨額の損失や債務を隠すために簿外取引の仕組みが乱用されたことで、その事業は蝕まれていった。エンロンの不正は、自分たちが何をしているのかを正確に理解していた経営陣によって行われた。そして彼らは、ウォール街の金融機関や自社の会計士、弁護士にも多額の報酬を与え、不正に協力させていた。

▶ 続きを読む
関連記事
気候訴訟を起こす牧場主らに対し、現代文明と農業を支える石油の恩恵を自覚すべきだと説く論考。人間を地球の害悪とみなす風潮や過度な脱炭素論に異を唱え、環境再生の主体としての農と人の役割を問い直す
ダーウィンの進化論がいかにして生命の神聖さを否定し、現代における人工妊娠中絶の容認や優生思想へとつながっていったのかを論考。唯物論的価値観が生命の尊厳を破壊してきた歴史的・倫理的背景に鋭く切り込む
組織文化の崩壊を招く真因は制度の不備ではなく指導者の行動にある。形骸化した理念や表面的な対話を排し、自らの姿勢を正す勇気を持てるか。30年の経営実績を持つ著者が問うリーダーシップの本質
政治的分断が食の世界にまで及ぶ現代アメリカ。投票先ではなく農法や土壌の再生で生産者を評価すべきだと訴え、健全な土壌のように多様性を認め合い「隣人」として手を取り合う重要性を説くオピニオン記事
ガザ地区の惨状をめぐりイスラエルに向けられる「ジェノサイド」批判の虚構を、歴史的経緯と人口動態、ハマスの戦略から米歴史学者が鋭く論破。2005年の完全撤退以降の事実から、事態の本質と深層を浮き彫りにする