気候変動政策の虚構 科学の名を借りた統制【地盤が抜かれた後で(6)】
2021年、ドイツは最後の原子力発電所を閉鎖する方針を進めた。
その決定の背景には、環境保護の名の下で進められてきたエネルギー政策があった——原子力発電からの撤退、風力・太陽光発電の大規模な拡大、そして石炭火力発電の段階的な廃止である。
その後、ロシアによるウクライナ侵攻が起き、ロシア産天然ガスの供給が大きく減少すると、ドイツは深刻なエネルギー危機に直面した。
工業用の電気料金が急騰し、大量のエネルギーを必要とする産業の一部では、生産拠点を国外へ移す動きも始まった。数十年かけて築いてきたドイツ製造業の競争力にも、大きな負担がかかるようになった。
ドイツは緊急の対応として、停止していた石炭火力発電所の一部を再稼働させた——石炭火力は、発電するときに多くの二酸化炭素を排出する発電方法の一つである。
関連記事
米中首脳会談後、双方が公表した文書には関税やAIを巡る説明に違いが残った。米側だけが記した事項もあり、台湾問題については双方とも言及していない
トランプ大統領が習近平を空港で出迎えた異例の対応。厚遇の一方、米軍基地では軍用機も並んだ。交渉の場づくりから国力の誇示、過去の歓迎への返礼まで、その狙いを五つの側面から読み解く
米宇宙軍とSpaceXが軌道データの共有で合意。スターリンク衛星の観測データと軍の高精度な情報を組み合わせ、宇宙ごみや衛星の動きをより詳しく把握する。将来的な軍事利用も視野に入る
中間選挙直前の米中首脳会談は選挙目当ての演出なのか。習近平が抱える国内事情と短期の貿易休戦を読み解き、トランプが「強い立場」から自国の労働者と経済の利益を優先して仕掛けた交渉戦略の意図と背景を論評する
失踪から30年のパンチェン・ラマや重刑に直面する黄之鋒、黎智英らを取り上げ、中国共産党による香港・チベットでの弾圧を告発。指導者を奪われ沈黙を強いられる世代の実態と、国際社会が記憶し続ける意義を問う