2026年6月23日、ロシアのプーチン大統領は、モスクワのクレムリンで高等軍事学校の卒業生と面会し、演説を行った。(Gavriil Grigorov/POOL/AFP via Getty Images)

ウクライナ 戦火をプーチンの足元まで拡大

ウクライナ軍はドローン攻撃でモスクワを含むロシア本土深部への打撃を強化。防空体制の限界を突き、インフラや後方支援を揺るがしている。プーチン政権の威嚇は効力を失いつつあり、戦争は新たな局面に入った。

6月21~22日にかけての夜、ウクライナ軍は再びモスクワを攻撃した。これは過去1週間で首都圏に対する3回目の攻撃である。ウクライナ参謀本部によれば、標的はモスクワ近郊ドゥブナ市の通信センターで、ロシア国内外の衛星通信リンクを管理する重要な地上通信ハブである。これに先立ち、6月15~18日にかけて、モスクワ製油所を含むモスクワ近郊のインフラを立て続けに攻撃していた。

独立系メディア「Meduza」は、5月にウクライナ軍がロシア東部方面軍の後方への攻撃を大幅に強化したと指摘している。6月に入ると、攻撃目標は次第に西部のヘルソン州およびクリミアへと移った。

▶ 続きを読む
関連記事
姿を見せないイラン最高指導者モジタバ。生死不明の傀儡を擁立し、誰も異論を唱えられない異様な状況を作り出すことで自らの絶対的権力を誇示する革命防衛隊バヒディ総司令官――独裁体制が抱える暗部に迫る
5年前から激変した世界情勢を保守派の視点から鋭く読み解く。カナダや中南米との関係変化、中東におけるイランの弱体化、先端技術での優位性を根拠に、アメリカが今まさに圧倒的な優位に立っている理由を論じる
増え続ける戦没者と連日の空襲に晒されるウクライナ。前線で飛び交うドローンやミサイルを支えるのは中国製の半導体や部品だ。現地キーウからのルポを通じ、中国共産党の影を告発する
ネパール大洪水の被害を拡大させたのは気候変動ではなく、それを恐れるあまり地質学的に脆い渓谷へダムや作業員を過密に投入した性急な再エネ開発だった。気候対策の暴走が生んだ人災の側面を鋭く告発する論評
スペースXがロシア軍の無許可スターリンク端末を遮断し、前線通信やドローン運用に影響が広がった。代替の衛星網「ラススヴェート」は軌道投入が難航し、ロシアの通信能力に課題が浮上している