オーツ麦で作る 忙しい朝の栄養朝食

映画の撮影現場では、シーンの合間に座ってゆっくり朝食を取る時間はありません。そのため、ハリウッドスターたちのトレーニングを担当するパフォーマンストレーナー、ジェイソン・ウォルシュ氏は、時間がないクライアントにオーバーナイトオーツをよく勧めています。前日の夜に準備して冷蔵庫に入れておけば、朝すぐに食べられる便利な方法だからです。

「オーバーナイトオーツは、非常に高い栄養価を持つ数少ない食事のひとつです」とウォルシュ氏はエポックタイムズに語りました。

朝の忙しい時間帯でも、バランスが取れて抗酸化作用に富んだ食事が用意されていれば、朝食を抜く理由はなくなります。
 

オーツ麦がもたらす健康効果

オーツ麦の主な利点のひとつは、β-グルカンという水溶性食物繊維を豊富に含んでいることです。この成分は腸内でとろみのあるゲル状になり炭水化物の吸収速度を遅らせることで、食後の血糖値やインスリン値の急上昇を抑えるのに役立ちます。β-グルカンはコレステロール低下や血糖コントロールにも関係する、オーツ麦の主要な有効成分です。

ある研究では、2型糖尿病患者37人に1日 5gのβ-グルカンを12週間摂取してもらいました(一般的なオーツ麦1杯には約 3gのβ-グルカンが含まれています)。研究終了時には、過去2〜3か月の平均血糖値・インスリン値、さらに炎症指標であるCペプチド値も低下していました。

β-グルカンは腸の健康にも重要な役割を果たします。便のかさを増やして便通を整えるだけでなく、腸内細菌による発酵で短鎖脂肪酸(腸内環境を整える脂肪酸)を生み出し、有益な細菌を育てます。

「ほんの少しの手間で得られる効果としては十分価値があります」とウォルシュ氏は述べています。
 

浸水と加熱の違い――オーツ麦への作用

浸水と加熱では、オーツ麦に対する作用が少し異なります。

加熱するとデンプンが柔らかくなり、消化しやすくなると同時に、β-グルカンが放出されやすくなります。

一方で浸水は、フィチン酸(ミネラルの吸収を妨げることがある物質)を分解する助けになります。その結果、鉄分・亜鉛・マグネシウム・カルシウムなどのミネラルが吸収されやすくなると、地中海式ライフスタイルの専門家オリビア・マロンダ氏はエポックタイムズに語っています。

ウォルシュ氏によると、冷たい状態で浸水させることでレジスタントスターチ(消化されにくく腸内細菌のエサになるデンプン)も増えるそうです。このデンプンは血糖値への影響が少なく、腸内の善玉菌を育てます。

実用性という面では、オーバーナイトオーツには明らかな利点があります。

「コンロも鍋も不要です。前日の夜に5分準備するだけで、朝食が完成します」とウォルシュ氏は述べています。
 

バランスのよい一杯を作るコツ

オーツ麦は優れたベース食品ですが、何を加えるかによって食事全体の質が決まります。

「オーバーナイトオーツは健康的な朝食ですが、それは正しく作った場合に限ります」と、認定コーチ兼プロボディビルダーのニッキー・ストット氏はエポックタイムズに語っています。オーツ麦は良質な複合炭水化物源(ゆっくり消化吸収される炭水化物)ですが、それだけでは不十分だとストット氏は言います。

「タンパク質や健康的な脂質を加えることで、満腹感が長続きし、血糖値も安定しやすくなります」とストット氏は説明しています。

管理栄養士のエンジェル・プラネルズ氏によると、基本のレシピはロールドオーツ(押し麦状に加工したオーツ麦)1/2カップに牛乳または水を1/2〜2/3カップ加える方法です。

「タンパク質を増やしたい場合は、ギリシャヨーグルトを1/4カップ加えてください。チアシードを大さじ1杯混ぜることで、とろみがつきオメガ3脂肪酸の摂取量も増やせます」とプラネルズ氏は述べています。

浸水時間も重要です。冷蔵庫で少なくとも6時間、理想的には8時間ほど置きましょう。朝になったら混ぜ、必要に応じて水分量を調整し、フルーツ・ナッツバター・種子類を加えましょう。

プラネルズ氏によると、ロールドオーツが最も適しています。スティールカットオーツ(粒を粗くカットしたオーツ麦)はより多くの水分と長い浸水時間が必要で、クイックオーツは柔らかくなりすぎることが多いそうです。

オーバーナイトオーツは密閉容器で冷蔵保存すれば3〜4日持ちますが、最もおいしいのは最初の1〜2日です。セリアック病(グルテンによって小腸に炎症が起きる自己免疫疾患)の方はグルテンフリーのオーツ麦を選んでください。消化器系が敏感な方や低糖質ダイエット中の方は、別の朝食のほうが合う場合もあります。
 

飽きずに楽しめる5つのアレンジ

オーバーナイトオーツを習慣的に食べたいなら、味のバリエーションは欠かせません。

「朝食を楽しみにできなければ、習慣は長続きしません」とウォルシュ氏は話します。

プラネルズ氏は、飽きずに楽しめるおすすめの組み合わせをいくつか紹介しています。

  • ピーナッツバター&バナナ:ピーナッツバター・バナナスライス・シナモン少々・塩ひとつまみ。
     
  • アップルパイ風:すりおろしたリンゴ・シナモン・ナツメグ・刻んだピーカンナッツ。
     
  • モカオーツ:無糖ココアパウダー・エスプレッソまたはコールドブリューコーヒー(水出しコーヒー)・アーモンドバター。
     
  • キャロットケーキ風:すりおろしたニンジン・レーズン・シナモン・バニラ・刻んだクルミ。
     
  • 甘くない食事系アレンジ:牛乳またはブロス(だし・スープ)で作り、半熟卵・スライスしたアボカド・好みの調味料をトッピング。

複合炭水化物と食物繊維に加え、ギリシャヨーグルト・プロテインパウダー・ナッツバターなどをプラスすることで、持続的で安定したエネルギー補給が可能になります。

「オーバーナイトオーツが人気を保ち続けているのには、きちんとした理由があります」とプラネルズ氏は語っています。

(翻訳編集 井田千景)

ゼナ・ルー・ルーは、健康ジャーナリストで、健康調査ジャーナリズムの修士号を持ち、機能栄養に特化した認定健康およびウェルネスコーチです。スポーツ栄養学、マインドフルイーティング、内的家族システム、および応用ポリヴェーガル理論のトレーニングを受けています。彼女はプライベートプラクティスで働き、英国に拠点を置く健康学校の栄養教育者としても活動しています。