2026年4月28日、東京の日本銀行本店で開催された金融政策決定会合に出席する植田和男総裁(中央)ら(Photo by JAPAN POOL / JIJI PRESS / AFP via Getty Images) / Japan OUT

日銀デジタル通貨「パイロット実験」進捗報告書のポイント

日本銀行は、2020年10月に決定した「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」に基づき、中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)の概念実証を行ってきた。「概念実証」とは、一般利用型のCBDCに求められる基本的な機能や具備すべき特性が、技術的に実現可能かどうかを検証することを指す。さらに、2023年4月からは社会実装に向けた技術的検証と、民間事業者の知見を反映させることを目的とした「パイロット実験」を進めている。このパイロット実験は、日本銀行が構築する「実験用システムの構築と検証」と、リテール決済に関わる民間事業者と実務的な議論を行う「CBDCフォーラム」の2本の柱から構成されており、6月10日にその進捗を取りまとめた報告書が公開された。

CBDCが社会実装されると、現金のように「誰でも、どこでも」広く日常的に利用される決済手段(一般受容性)となるため、システムには全国から集中する膨大な取引を瞬時に処理できる、非常に高い性能が求められる。そのため、実験用システムの検証では、以下の2つの高負荷試験が実施された。

また、実験用システムに実装しない機能についても机上検討が行われた。具体的には、電話番号などで簡単に送金先を指定できる「エイリアス機能」や、相手に自分の口座IDを知られずに送金できる「口座IDのトークン化(秘匿化)」など、送金時の宛先情報の管理について議論された。また、スマートフォンやカード型デバイス等のエンドポイントデバイスにおけるユニバーサルアクセスとセキュリティ、民間マネーとの相互運用性などが議論された。さらに、非機能要件として、サイバー攻撃や不正作出へのセキュリティ対策、システムを停止させないための可用性(計画停止や障害停止への対応)やレジリエンスの確保についても整理されている。

▶ 続きを読む
関連記事
日本銀行は金融政策決定会合で、政策金利を1.25%に引き上げることを決めた。1.25%は1995年以来、31年ぶりの高水準となる。利上げは前回から3か月ぶりで、これまでよりもペースを速めて利上げに動いた形となった。
総務省は2026年8月の全国消費者物価指数(2025年=100)を発表した。価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は102.0となり、前年同月比1.7%上昇した。
サウジ東西原油パイプラインが無人機攻撃で停止。赤澤経産相は、約200日分の官民備蓄と米国・UAEからの代替調達により必要な原油量は確保できると説明した。一方、中東情勢の不透明感で価格上昇が懸念される
経産省はGX戦略地域の第1弾として18地域を認定した。データセンター集積型は9地域全てが選ばれ、AI普及で増える電力需要への対応と地域産業・雇用の創出を目指す。コンビナート再生型は川崎市のみ認定された
スコット・ベッセント米財務長官は9月8日、外国為替市場で円安を見込む取引を続ける市場参加者に対し、自身には日本政府や日本銀行の政策動向を把握できる「情報面での優位性」があると強調し、「望むなら私と反対に賭けてみろ」と警告した。