2026年4月21日、パナマ運河へと入る東京船籍のコンテナ船「ワン・コントリビューション」の空撮。パナマ運河庁によると、中東での紛争の影響により、同運河の通航量が増加している(MARTIN BERNETTI / AFP via Getty Images)

中東緊迫で原油輸送に変化 パナマ運河の通航量が急増

中東情勢の緊張が続くなか、原油輸送では従来の海上ルートを避け、代替ルートを利用する動きが広がっている。これに伴い、パナマ運河の通航量が急速に増えている。一方で、海上交通の安全やルールをめぐる対立も強まっている。専門家は、世界の海運は単なる経済取引の枠を超え、地政学的な駆け引きの焦点になっていると指摘している。

ホルムズ海峡の通行が妨げられている影響を受け、日本、韓国、インド、中国などアジアの製油業者は、最近、アメリカ産原油の購入を大幅に増やしている。データによると、4月にパナマ運河を経由してアジアへ運ばれたアメリカ産原油は、日量20万バレルを超え、近年の高水準に迫った。供給元の切り替えが急速に進んでいることを示している。

航路の転換に伴い、パナマ運河では通航需要が明らかに高まっている。船舶の平均待ち時間は3.5日に延び、通航権の入札価格も上昇している。一時的な優先通航料が400万ドルに達するケースも出ているという。原油価格の高止まりに加え、石油製品を精製して得られる利幅も確保されているため、関係業者は高い通航コストを負担してでも利用を続けている。エネルギー市場の緊張が続いていることをうかがわせる。

▶ 続きを読む
関連記事
中国企業がエクアドルに建設した水力発電所をめぐる汚職事件で、裁判所はモレノ元大統領に懲役5年を言い渡した。同発電所では1万7千か所を超える亀裂など深刻な欠陥も見つかっている
天安門事件を目撃し、中共官製メディアの記者からキリスト教伝道師へ転身した汪勁氏の半生。軍の腐敗や臓器収奪、過酷な監視と弾圧の実態を告発し、現在はカナダで自由を語る元中共官製メディアの記者の証言
中国は、カナダと米国の貿易を巡る亀裂を戦略的に利用して両国間の対立をあおり、北米を分断しようとしていると、アジアおよび米中関係の専門家が指摘している。
米国の関税に対しカナダが報復関税と巨額支援を発表。政府が国民に国産品購入を促す一方、野党は減税による負担軽減を求めるなど、対米対抗と国内経済維持に向けた多角的な動きを報じる
米加貿易交渉の決裂背景にある、メキシコ・カナダを経由した中国製品の「大規模な積み替え貿易(関税逃れ)」の実態を論評。USMCAの優遇措置を悪用する問題点と、北米3か国が直面する現実的な選択肢を解説します