3月11日、欧州委員会のフォンデアライエン委員長がフランス東部ストラスブールの欧州議会で開かれた会議で発言(FREDERICK FLORIN / AFP)

欧州委員長 ロシア産石油回帰を拒否「依存が強まり弱体化」

アメリカとイランの戦争によるエネルギー不足の影響で、ヨーロッパの天然ガス価格が50%上昇した。EUは対応策の模索を進めているが、ロシアに支援を求める考えはないと明言している。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「(ロシアの燃料に戻ることは)戦略的な誤りだ。依存度を高め、私たちをより脆弱で弱い立場にしてしまう」と述べた。

フォンデアライエン委員長は11日、米イラン戦争の開始後、ヨーロッパでは石油価格が27%、天然ガス価格が50%上昇したと指摘した。EU域内資源の開発を強力に推進する一方、ロシア産石油の購入を再び拡大するような短期的な対応は取らない方針を表明した。

フォンデアライエン氏は「ヨーロッパには域内エネルギーがある。再生可能エネルギーと原子力だ。過去10日間、これらの価格は変動していない」と語った。

EU加盟国は今年1月、ロシア産石油輸入を段階的に廃止する法案を採択している。同時に、国家補助の導入や天然ガス価格の上限設定など、複数の対策を準備している。

フォンデアライエン氏は「天然ガスは電力価格を左右する。したがって、重要なのはコストの影響を抑えることだ」と述べた。

同様の影響はアジアにも広がっている。アメリカはインドに対し、ロシア産石油の再購入を認めた。ただしアメリカ側は、この措置がインドに対する限定的な免除にすぎないと強調し、期間や規模に制限を設けている。ロシアの石油収入に実質的な影響は及ばないとの見方を示している。

関連記事
EUは、中国軍がロシア軍要員を訓練していたとの報告を確認したと明らかにした。ロシア軍への支援に関与した中国企業2社と香港企業1社を新たに制裁対象に指定
スターマー英首相が16歳未満のSNS利用禁止方針を発表。ゲームサイトやライブ配信サービスにも規制を拡大する可能性がある
2022年には、英国首相の公用車内から中国製の追跡装置が発見され、中国国内へデータを送信し続けていたことが明らかになった。中国製ハイテク部品に潜む情報浸透のリスクが懸念される
難民申請を経て難民認定を受けたスーダン国籍の男が8日深夜、英国北アイルランドの首府ベルファストの路上で刃物を持って人を襲い、1人が重傷を負った。この情報が広まると、北アイルランドおよび英国各地で反移民デモが相次ぎ、一部は暴力的な衝突へと発展した
アナリストらによると、欧州連合(EU)加盟国間の外交方針の相違や国家利益の衝突により、近い将来に欧州軍を実現することは不可能であるという