緊迫する中東情勢と日本のエネルギー安定供給に向けた対応
イラン情勢の緊迫化に伴い、日本のエネルギー安定供給や物価をはじめとする日本経済全体への悪影響が懸念されている。こうした事態を受け、赤澤経済産業大臣は自身を本部長とする「イラン情勢を踏まえたエネルギー対策本部」を2日に設置した。同本部は、原油市場の動向や経済への影響を的確に把握し、国民生活および経済活動への打撃を最小限に抑えるため、迅速に必要な対策を講じる方針を打ち出している。
現在、米国とイスラエルによるイランへの攻撃の影響で、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡は事実上の封鎖状態にある。中東から日本へ向かう原油タンカーの中には、海峡の通行を見合わせてペルシャ湾内で待機する船も生じている。しかし、日本は官民合わせて254日分の石油備蓄を保有しており、国際エネルギー機関(IEA)などと連携しながら適時適切に対応できる体制を整えている。石油備蓄の放出は価格抑制ではなく供給不足への対応を目的とする制度であるため、現時点で具体的な放出予定はないものの、政府は原油供給の状況を注視し、万全を期す構えである。
さらに、カタールにおいては国営カタールエナジー社のLNG(液化天然ガス)施設が軍事攻撃を受け、LNGの生産が停止する事態が発生した。これに対しても、日本のカタールからのLNG輸入量は全体のおよそ4%にとどまっており、国内には約3週間分の在庫が確保されている。加えて、資源エネルギー庁の仲介によって電力・ガス会社間でLNGを融通し合う仕組みが構築されているため、短期的な安定供給に支障が生じることはないと認識されている。仮に供給不安が生じた場合には、他国からの供給増加やスポット市場での代替調達によって機動的に対応する方針である。
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