高市総理 自身の名を冠した仮想通貨「SANAE TOKEN」に注意喚起 その背景と展望
高市早苗首相は3月2日、自身の名前を冠した暗号資産(仮想通貨)「SANAE TOKEN」が発行・取引されていることに対し、自身の公式Xにて注意喚起を行った。高市氏はこのトークンについて「私は全く存じ上げません」とし、事務所側も詳細を知らされていないと述べている。また、自身や事務所は一切無関係であり、本件について何らかの承認を与えた事実もないと強調した上で、国民が誤認することを防ぐために発信に至ったと説明している。発行元のウェブサイト上には、首相の名前やイラストが掲載されているという。
連続起業家の溝口勇児氏が2月26日にXで発信した内容によると、「SANAE TOKEN」はYoutubeメディア「NoBorder」のコミュニティの発案により、高市氏と親交が深いとされる京都大学の藤井教授が牽引する「Japan is Back」プロジェクトの一環として発行されたという。溝口氏は、アメリカでトランプ大統領の選挙勝利をきっかけに「トランプコイン」が大きな価値を持った事例を挙げている。最新テクノロジーを用いて民主主義をアップデートし、国民の声を集めて政策決定者に届ける取り組みの中で、参加者を広げるためのインセンティブとしてトークンを活用する狙いがあったと説明している。X上には公式アカウントへのリンクも存在していたが、これらはすべて首相側の承認を得ていない無断の動きであったことが今回の注意喚起で明らかになった。
高市首相が関与を明確に否定したことで「SANAE TOKEN」は政治的な後ろ盾を失い、運営側はプロジェクトの方向転換を迫られるだろう。また、政府が仮想通貨所得の税負担を株式と同等の20%に軽減する検討を進めるなど環境整備に向かう一方で、今回のように著名人の知名度を無断利用する仮想通貨に対しては、投資家保護の観点から厳しい監視と注意喚起が行われると予測される。