海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用する深海掘削船「ちきゅう」が、9月5日に清水港で行われた見学会の際に停泊している様子 ( Tomohiro Ohsumi/Getty Images)

日米の大型投資枠組みが始動 トランプ氏 日本の投資案件第1弾を発表

2月18日、トランプ米大統領は自身のSNSトゥルース・ソーシャルで、日米間の大規模な貿易協議が正式に動き出したと発表した。5500億ドル(約84兆円)の対米投資の中、すでに石油・天然ガス、電力、重要鉱物などの分野で3つの大型プロジェクトが米政府の承認を得たという。高市早苗首相は、引き続きアメリカと緊密に連携していきたいとの考えを示した。

トランプ大統領は声明で「最初の投資案件は、我々(日米)の歴史的な貿易協定の一部だ」「アメリカは再建されつつある。アメリカは生産している。アメリカは再び勝利しつつある」と述べた。

また、これらの巨大プロジェクトの実現は関税政策の成果だと改めて強調した。

3つのプロジェクトの総額は360億ドルに上る。テキサス州では深水原油輸出施設を建設し、年間200〜300億ドルの原油輸出収入を見込む。さらにオハイオ州では過去最大規模となる天然ガス発電所を建設し、電力網の信頼性向上と電力価格の安定化を図り、製造業を支援する。また、ジョージア州では人工ダイヤモンドの生産拠点を整備し、国内需要を100%賄い、海外資源依存を解消することを目指す。

ラトニック米商務長官は、日本が資金を提供し、インフラをアメリカ内に整備することで、日本は投資収益を得る一方、アメリカは戦略的貿易面で大きな成果を得ると説明し、「未来はかつてないほど明るい」と述べた。

同日、高市氏も声明を発表し、関連設備や機械の供給を通じて日本企業の売上拡大や事業機会の拡大が見込まれるとの認識を示した。

高市氏は「第一陣プロジェクトね。これを発表した『戦略的投資イニシアティブ』についても、アメリカ側と引き続き緊密に連携をしていきたいと思っている」と述べた。

さらに、来月ワシントンで予定している日米首脳会談を通じ、安全保障や経済、文化など幅広い分野での協力を一層強化したい考えを示した。

高市氏は18日、「レアアースなどの重要鉱物を含めて、日米の経済安全保障を更に強化していきたいというのが、私の本当に強い思いである。南鳥島周辺海域のレアアースを含む海洋鉱物資源開発につきましても、しっかりと日米の議論の場を設け、進めていきたいと思っている」と表明した。

日米は昨年、重要な貿易協定を締結している。今回、投資プロジェクトが本格的に動き出した。今後、双方が「日米同盟の新たな黄金時代」をどのように具体化していくのか、引き続き注目する。

関連記事
20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、2日間の日程を終えて閉幕した。成果文書は共同声明ではなく、議長総括として公表された。重要鉱物やサプライチェーン、途上国の債務再編に関する記述について、中国が賛成しなかったことが文書に明記された。
日中間の地政学的緊張が高まり、経済構造も変化する中、日本はインドへの投資を拡大している。一方、日本の対中投資は大幅に減少している。
2027年度予算の概算要求は143兆円前後となり、4年連続で過去最大を更新する見通し。上限のないAI・半導体投資枠、36兆円超の国債費、過去最大の防衛費が総額を押し上げた
伊藤忠商事は、電通グループと戦略的提携を結び、リテールメディアとITサービスの事業基盤を強化する。提携の一環として、伊藤忠グループは電通総研に対する株式公開買い付け(TOB)を実施し、電通グループと共同で同社の非公開化を目指す。
円が1ドル=160円台まで下落した。ベッセント氏は30日、「無秩序な動きではない」と述べ、日銀の対応に期待を示した