トランプ政権 Getty Images

トランプ氏は「モンロー主義」を復活させようとしているのか?

最近、トランプ米大統領は国家安全保障戦略(NSS)を公表し、歴代政権とは一線を画す姿勢を明確にした。その戦略の一部には、米国第5代大統領ジェームズ・モンローが打ち出した「モンロー主義」を現代的に再構成したかのような要素が見て取れる。

もっとも、今回の戦略は、200年前にモンローが構想したものをはるかに超える内容である。モンローの基本的な発想は、米国が欧州の問題に深入りすることを避ける一方で、米州を防衛し、西半球への外国勢力の介入を阻止することにあった。これは後に「マニフェスト・デスティニー(明白な運命)」と呼ばれる思想につながった。トランプも同様の目的意識を持っているが、彼の掲げる「アメリカ・ファースト」は、より広範な対象を含むものとなっている。

確かにトランプは、遠隔地にいる外国の敵対勢力が米州において民主主義や国家安全保障を損なおうとする動きを阻止することに重点を置いている。しかし同時に、中南米の近隣諸国が米国内の安定を脅かす事態を防ぐことにも強い関心を示している。では、トランプ政権は、こうした複数の課題をどのように同時並行で処理しているのだろうか。

▶ 続きを読む
関連記事
米国はイラン戦争でミサイル備蓄の約3分の1を消耗。補充に数年を要し、日本・台湾の対中抑止に影響する可能性が指摘される
ロシア軍は戦車約1万2千両を失い、T-90Mも撃破されるなど装甲戦力が深刻に消耗。ドローンと対戦車兵器の普及により戦術は大きく変化し、戦車の役割そのものが再考を迫られている
中国による海外オンライン証券への規制強化は、香港市場の流動性を奪い、投資家の資本逃避をさらに加速させる恐れがある。インサイダーリスクや、暗号資産・大手銀行への資産避難など、広がるチャイナリスクを解説
経済・軍事・資源・技術の各分野で米国が優位に立ち、中国共産党は依然として対抗困難とする論考。人口規模や成長神話の裏にある構造的弱点を指摘する
米中会談での合意の欠如は、今後の米中間の地政学的不安定性を示している。ホワイトハウスは中国側によるボーイング機200機および農産物の購入を含む合意事項を発表したが、中共政府側は公に同意していない