トランプ政権 Getty Images

トランプ氏は「モンロー主義」を復活させようとしているのか?

最近、トランプ米大統領は国家安全保障戦略(NSS)を公表し、歴代政権とは一線を画す姿勢を明確にした。その戦略の一部には、米国第5代大統領ジェームズ・モンローが打ち出した「モンロー主義」を現代的に再構成したかのような要素が見て取れる。

もっとも、今回の戦略は、200年前にモンローが構想したものをはるかに超える内容である。モンローの基本的な発想は、米国が欧州の問題に深入りすることを避ける一方で、米州を防衛し、西半球への外国勢力の介入を阻止することにあった。これは後に「マニフェスト・デスティニー(明白な運命)」と呼ばれる思想につながった。トランプも同様の目的意識を持っているが、彼の掲げる「アメリカ・ファースト」は、より広範な対象を含むものとなっている。

確かにトランプは、遠隔地にいる外国の敵対勢力が米州において民主主義や国家安全保障を損なおうとする動きを阻止することに重点を置いている。しかし同時に、中南米の近隣諸国が米国内の安定を脅かす事態を防ぐことにも強い関心を示している。では、トランプ政権は、こうした複数の課題をどのように同時並行で処理しているのだろうか。

▶ 続きを読む
関連記事
中国は少子化と高齢化が急速に進行し、労働力や経済成長に深刻な影響が広がっている。長年の政策と経済構造が出生率低下を招き、政府の対策も効果を上げていない。
ドイツは中国の通貨政策や国家補助金、安全保障行動を問題視し、G7など民主主義国による協調対応を提唱。経済と安保の両面で対中姿勢を転換している
ロシアは大規模攻撃を続けるが、死傷者の増大や国内不満で先行きは不透明。ウクライナは欧州支援と技術優位で持ち直し、戦局は一方的劣勢ではなくなりつつある
2026年上半期、中共軍の台湾海峡・西太平洋での活動は大幅減。背景には指揮系統の混乱、装備・維持管理の課題、日米の抑止強化があり、対外行動は全体に抑制的となっている
7月1日、中国本土では対外投資に関する新規則(国務院令第837号)が正式に施行される。この中では、個人による対外投資への規制が新たに加えられ、かつてないほど厳格な内容となっている。