トランプ氏は「モンロー主義」を復活させようとしているのか?
最近、トランプ米大統領は国家安全保障戦略(NSS)を公表し、歴代政権とは一線を画す姿勢を明確にした。その戦略の一部には、米国第5代大統領ジェームズ・モンローが打ち出した「モンロー主義」を現代的に再構成したかのような要素が見て取れる。
もっとも、今回の戦略は、200年前にモンローが構想したものをはるかに超える内容である。モンローの基本的な発想は、米国が欧州の問題に深入りすることを避ける一方で、米州を防衛し、西半球への外国勢力の介入を阻止することにあった。これは後に「マニフェスト・デスティニー(明白な運命)」と呼ばれる思想につながった。トランプも同様の目的意識を持っているが、彼の掲げる「アメリカ・ファースト」は、より広範な対象を含むものとなっている。
確かにトランプは、遠隔地にいる外国の敵対勢力が米州において民主主義や国家安全保障を損なおうとする動きを阻止することに重点を置いている。しかし同時に、中南米の近隣諸国が米国内の安定を脅かす事態を防ぐことにも強い関心を示している。では、トランプ政権は、こうした複数の課題をどのように同時並行で処理しているのだろうか。
関連記事
米軍が2026年の部隊配置を見直し、インド太平洋地域で中共軍への対抗を強化。第1列島線を重視し、日本・フィリピンとの連携や長距離ミサイルの配備を進めている。台湾有事を見据えた米軍の戦略とは
ノーベル経済学賞は、理論の正しさを保証するものではない。景気変動を抑える政策に目を奪われるあまり、その根本原因を見失っていないか。筆者はオーストリア学派の視点から、金融緩和が生むゆがみと経済学の本質を問い直す
欧州で拡大する激しい暴動と、世界で加速する国境の形骸化。一見無関係に見える「街頭での暴力」と「グローバリズム」の裏に潜む計画的な破壊工作とは?ニュースの表面からは見えない社会危機の構造を解き明かす
中間選挙後のトランプ弾劾の可能性をニクソン辞任劇と比較。ベトナム敗退の歴史から台湾侵攻リスクを警告しつつ、レーガン流の強硬路線による抑止シナリオも対比して今後の米中関係と国際秩序の行方を占う
ルビオ米国務長官が中央アジアを訪問し、重要鉱物や投資を軸に米国の関与を強化。中共が進める「一帯一路」への影響と、地域で広がる米中競争を読み解く