男性が「無償教育を。富裕層に課税を」と「共産主義」と書かれたプラカードを掲げている写真 Getty Images

社会主義の背後にある反社会的な行為 合法的略奪の構造

オーストリア学派を代表する経済学者ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスが提唱した人間行動学(プラクシオロジー)の出発点は、「人間は目的をもって行動する」という極めてシンプルで力強い原理である。より具体的には、人はその時点で最も価値があると判断したものに従って、手元にある選択肢の中から行動を選ぶ、という考え方だ。

この目的は「幸福の増進」と言い換えることもできるし、ミーゼス自身がややぎこちない表現で述べたように、「感じている不安を軽減すること」と表すこともできる。

しかし、これは人間が常に賢明な選択をするという意味ではないし、長期的に自らの人生にとって最良の行動を選ぶという意味でもない。ドキュメンタリー映画『皇帝ペンギン』に登場するペンギンのように、自然がプログラムした最適解に従って生きる存在とは違うのだ。ペンギンには選択の余地がほとんどなく、生存のために本能に従い決まった行動を取るだけである。

▶ 続きを読む
関連記事
トランプ米大統領は、中国は新型コロナウイルスのパンデミックについて少なくとも10兆ドルを支払う義務があり、各国は被った損害への賠償の内金として、中国に対する債務を全て帳消しにすべきだと主張している。
米中間選挙において、身内に距離を置かれたオバマや遊説を避けたバイデンに対し、トランプは自ら「最高応援団長」として猛烈に全国を駆け回る。逆風の世論調査にも怯まず、強気に自らを売り込む姿を追う
米中間選挙後、米国とイスラエルがイランへの大規模攻撃を再開する可能性が浮上。72時間の集中攻撃やナタンズ近郊の地下核施設が焦点となる中、イランは周辺国との外交交渉を進める一方、ホルムズ海峡封鎖やミサイル攻撃を切り札としている
米露中首脳会談の背景やウクライナ和平の現実、そして身勝手なダブルスタンダードを続けるヨーロッパに対するトランプ政権の冷徹な現実主義を解説した論考
中共の五中全会を前に、全国政協副主席の胡春華が重要会議を欠席し、失脚説や家族の連絡途絶説が浮上した。中共内部関係者は体調不良が理由だと説明する一方、政治的復権は困難との見方を示した