今日はスーパーフードの一つをご紹介します。この食材は悪玉コレステロール(LDL)を下げ、善玉コレステロール(HDL)を上げます。さらに心血管を守り、老化を遅らせ、記憶力を高め、肝臓の代謝機能を強化し、ダイエットにも効果的です。その食材とは「緑の黄金」とも呼ばれるアボカドです。
アボカドは果物ですが脂肪含有量が非常に高く、約7〜8割が脂肪です。ただし、その多くは良質な脂肪である一価不飽和脂肪酸です。また、ビタミンA・C・E、カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維も含まれており、満腹感を得やすいため非常に優れた食材といえます。
アボカドに含まれる一価不飽和脂肪酸はオリーブオイルと似ており、私たちの体に不足しがちな脂肪酸を補うことができます。ただし、摂取量には注意が必要です。100gあたりのカロリーは約80kcal、小さめの1個で約300kcalとなり、これはご飯1杯分に相当します。台湾産の大きめのものではご飯2杯分ほどのカロリーになります。
アボカドの健康効果
1 心血管の保護
脂肪は悪いものではありませんが、バランスが重要です。一価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸は、それぞれ1:1:1の比率が望ましいとされています。偏って一種類だけを摂らないようにしましょう。飽和脂肪酸は血管を詰まらせるといわれますが、過剰摂取を避ければ問題ありません。
2 美容効果
ビタミンCとEが抗酸化作用を持ち、美肌に役立ちます。
3 血糖安定とダイエット
一般的な果物は糖分が多いですが、アボカドは糖分が少なく脂肪が主成分です。脂肪は血糖値の急激な変動に影響を与えにくく、食前に半分ほど食べると満腹感が持続し、3〜4時間は空腹を感じにくくなります。その結果、自然と食事量が減り、体重減少につながります。
4 目の健康維持
ビタミンA、ルテイン、ゼアキサンチンを含み、目の健康をサポートします。
アボカドを避けたほうがよい人
アレルギー体質の方は注意が必要です。アボカドに含まれる特定のタンパク質がアレルギー反応を引き起こし、皮膚のかゆみや腫れ、呼吸困難などの症状が出ることがあります。これは天然ゴム(ラテックス)アレルギーと関連しているため、該当する方は少量から試してください。
抗凝固剤や降圧薬を服用している方は、医師や栄養士と相談のうえ適量を守ってください。
スーパーフードとはいえ、食べ過ぎれば太ります。消化器官に問題がある場合は、脂肪分と食物繊維が多いため、下痢や便秘を引き起こすこともあります。
量を守ればほとんど問題はありません。どんな食べ物も「良い・悪い」ではなく、「量」が大切です。小さめのアボカドなら半分、必要な場合でも1個までを目安にしましょう。
アボカド料理
アボカドが熟しているかどうかは、どのように判断するのでしょうか?熟しても色が変わらず、皮が緑色のままのアボカドもあります。押してみて、中が柔らかく弾力がない場合、それが熟している証拠です。
料理その1 アボカドオムレツ
アボカドは脂肪とタンパク質の両方を含み、朝食に食べるだけで満腹感を得られます。血糖値が気になる方は、朝食に取り入れることで血糖値を安定させる効果があるのでおすすめです。ただし、食べ過ぎにはご注意ください。

小さめのアボカドを1個用意し、切って潰します。塩コショウをひとつまみ加え、卵2個を溶きほぐし、コーンスターチを少々加えます(形を整えるため)。よく混ぜ合わせたら、フライパンに油を熱し、アボカドピューレを数杯入れて、弱火で時々裏返しながら両面に火が通るまで焼きます。焼き上がると香ばしく仕上がります。
料理その2 アボカドスライスの醤油わさび添え
スライスしたアボカドを、醤油ベースのタレとわさびでいただきます。

料理その3 生野菜とアボカドのサラダ
材料:アボカド、ズッキーニ、赤ピーマン、リンゴ、レタス、ゆで卵、鶏もも肉または鶏むね肉。
野菜(ズッキーニ、赤ピーマン)はローストするのが一番です。生でも美味しくいただけますが、ローストした方が甘みが増します。ローストした野菜に塩をひとつまみ加えましょう。リンゴ、アボカド、ゆで卵をさいの目切りにして、レタスとローストした野菜と一緒に大きなボウルに入れます。タンパク質をもっと摂りたい場合は、鶏もも肉または鶏むね肉のフライを添えてください。

このサラダには自家製オニオンソースをかけることができます(オニオンソースのレシピは別のエピソードでご紹介しています)。オニオンソースがない場合は、黒コショウ、塩、レモン、少量のオリーブオイルを加えると風味が増します。
料理その4 マッシュルーム、エビ、アボカドバーガー/マッシュルーム、チキンブレスト、アボカドバーガー
このアボカドマッシュのレシピでは、炭水化物の代わりにシイタケまたはマッシュルームを使用します。
材料:アボカド、椎茸、マッシュルーム、赤ピーマン、エビ、鶏むね肉。
エビ:エビに少量の塩と日本酒を振りかけてマリネし、鍋に油を少し加えて炒めると、すぐに火が通ります。
鶏むね肉:鶏むね肉は塩水で茹でます。一度に茹ですぎず、食べる直前に茹でましょう。茹ですぎると肉が固くなってしまいます。
アボカドソース:アボカドを細かく切って潰し、塩、黒コショウ、レモン汁を少々加えます。
マッシュルーム、エビ、アボカドバーガー:揚げたマッシュルームの上にレタスを乗せ、アボカドソースをかけ、調理したエビを加えれば完成です。

マッシュルーム、鶏むね肉、アボカドバーガー:調理したマッシュルームにアボカドソースを塗り、鶏むね肉を重ね、さらにアボカドソースを塗り、赤ピーマンをのせ、再び鶏むね肉を重ね、さらにアボカドソースを塗り、最後に赤ピーマンをのせます。(鶏むね肉を何層にも重ねることも可能です)

これらのアボカドレシピは、普段アボカドを好まない人や子どもでも喜んで食べられるでしょう。栄養満点で健康的なスーパーフードを使った美味しい料理は、安ママの腕にかかっています。
(ウェブサイト限定、無断転載禁止)
(翻訳編集 里見雨禾)
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