高度3万フィートの空を飛ぶのはわくわくする体験ですが、飛行機では自分で軽食やスナックを持参したり、航空会社が提供する食事を楽しんだりできます。しかし、専門家は健康・衛生・マナーの観点から、機内食の選択には注意が必要だと指摘しています。
一般的に、飛行機内では「さっぱりして消化しやすく、油分の少ない食べ物」を選び、水分補給を心がけることが大切です。揚げ物、辛い食べ物、コーヒー、アルコールなどは体調を崩すリスクがあるため避けるべきです。また、航空会社の持ち込みルールも事前に確認し、保安検査で問題が起きないようにしましょう。
以下は、元客室乗務員が乗客に「飛行機内で食べないほうがよい」と勧める4つの食べ物です。
1. コーヒーと紅茶
元客室乗務員アレックス・クイグリー(Alex Quigley)氏によると、フライト中は無料で配られる紅茶やコーヒーを避けるべきだといいます。
彼が「Delish」に語ったところによると、これらの飲み物は機内の飲料水タンクから給水されており、その清掃頻度が低い可能性があるためです。現状では正確な清掃頻度は分からないため、ペットボトル飲料を選ぶよう推奨しています。

2. 膨満感を引き起こしやすい食品
気圧の変化により、機内では腹部の膨満感や消化不良が起きやすくなります。7年のフライト経験を持つ元乗務員ジョセフィン・レモ(Josephine Remo)氏は、フライト前や飛行中には膨満感を招きやすい食品を避けるべきだと助言しています。
「トラベル&レジャー」誌の取材で、彼女は乗客は特に消化不良を起こしやすいと説明し、個人的に避ける食品として玉ねぎ、ケール、豆類、赤身肉、レンズ豆、小麦グルテン、ブロッコリーを挙げています。
また、炭酸飲料も膨満感を悪化させるため控えるべきだと述べています。

3. 臭いが強い食品や乳製品
元客室乗務員ジャクリーン・ホイットモア(Jacqueline Whitmore)氏は、臭いが強い食べ物や腐りやすい食品も避けるよう勧めています。
「Fox News Digital」の取材で彼女は、ツナサンドイッチや卵サラダ、魚料理は密閉された機内で特に臭いが強く、他の乗客に不快感を与えるだけでなく、保存状態によっては健康リスクにもなりかねないと述べました。
また、フェットチーネ・アルフレード、ラザニア、マカロニチーズなどクリーム系乳製品は、高地では胃の不快感をもたらすため避けるべき食品に含まれます。
4. 潜在的なアレルゲン食品
ホイットモア氏は「AllRecipes」の取材で、アレルギー患者への配慮も重要だと強調しています。
ピーナッツやピーナッツバターなど、機内で粒子が飛散することでアレルギー反応を誘発する可能性のある食品は持ち込まないことを勧めています。
自分や他の乗客に食物アレルギー(海鮮、乳、ナッツなど)がある場合は、事前に航空会社へ伝え、特別メニューを手配することも可能です。

長距離フライトで安心して食べられるもの
長時間の移動では、胃腸に負担をかけず、隣席の人の快適さを損なわない食品を選びましょう。
専門家のおすすめは、持ち運びやすく味が控えめで栄養もある「ドライフルーツ、新鮮な果物、ビスケット、プレッツェル、チーズスティック、フムスと野菜、マフィン、チョコレート、キャンディ、グラノーラバーやプロテインバー、サンドイッチ」などです。
ただし、新鮮な果物やフムスはアメリカTSA(運輸保安局)の検査で制限される場合があるため、持ち込みには注意が必要です。
結局のところ、高空での正しい食事選びは、空腹を満たすだけでなく、健康維持や快適な機内環境、そして他の乗客への配慮にもつながります。
機内食が淡白に感じられる理由
多くの人が「機内食は味が薄い」と感じる理由の一つは、キャビン内の低気圧と乾燥した環境が味覚や嗅覚を鈍らせるためとされています。また、気圧の低下により満腹感が早まり、食事を味気なく感じることもあります。
さらに、機内で肉料理は美味しいと感じる人が多い一方で、野菜料理は「味付けが薄い」と感じやすい傾向があります。これは、調理済み野菜を加熱・冷却・再加熱する過程で亜硝酸塩が増えるため、あえて味付けを控える場合があるためです。そのため機内食では塩や胡椒を別途提供する配慮もされています。
(本文は The Economic Times の報道を参考にしています)
(翻訳編集 里見雨禾)
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