『ベルサイユのばら』に描かれる18世紀フランス像は、しばしば旧日本社会の現実が投影されている。作中の逸話を通じ、日本とフランスの本質的な相違と、その歴史観の歪みを考察する。(Shutterstock)
虚構が作る歴史『ベルサイユのばら』と歪められた日本人の革命イメージ

第4回:江戸がヴェルサイユを覆う――日本式封建ドラマとしての『ベルばら』

漫画『ベルサイユのばら』の映画版は、昨年(2024年)の秋に公開された。原作の漫画は池田理代子氏によって描かれたものであり、「少女漫画」あるいは「恋愛小説」と呼ばれるジャンルに属している。本記事はこの映画、そして原作漫画について論じる全5回シリーズの第4回目の記事である。

ここで、私たちのささやかな分析の中で最も興味深い点、そして多くの評論家たちが見過ごしていると思われる点に触れる。それは、日本の歴史をフランスに投影している点である。

この傾向は一方で顕著に現れ、他方で歴史的には全く誤ったものである。この点は、日本とヨーロッパ(ここではフランス)が類似した、同等の歴史を持つと信じる日本の歴史学の伝統を如実に示しているだろう。これは、日本の誇りを支え、現在の状況を安心させる方法でもあるだろう。

▶ 続きを読む
関連記事
2026年6月19日は旧暦の端午の節句。中国から伝わり、日本独自の「男の子の節句」へと発展したこの祝祭には、屈原や伍子胥、そして武士道にも通じる「忠義と品格」を次世代へ繋ぐという、先人たちの願いが込められている
イラン戦争の予備的和平合意を徹底検証。オバマ時代の融和策とは一線を画し、圧倒的な軍事力でイランの核野望を挫いたトランプ政権の成果を解説する。国内外の的外れも含む様々な批判を退け、真の中東情勢の地殻変動に迫る
走り続ける日常を少し止め、自分にとっての「十分」を見つめ直してみませんか?「知足・断捨離・旬」という3つの視点から、衝動に惑わされず、一人の人間として日々の暮らしを丁寧に愛おしむヒントを綴ります
世界最大の輸出国が人為的に安い通貨を維持するなか、西側諸国の経済はいつまで持ちこたえられるのだろうか
日本の脳梗塞研究が『Nature』に掲載され、脳の修復と制約のメカニズムが話題だ。一見矛盾するこの働きは、二千年以上前に『黄帝内経』が説いた「陰陽五行・生剋制化」の法則と一致する。人体の神秘に迫る