アステラス製薬本社(大紀元撮影)

中国 アステラス社員に自白促す「司法取引」 スパイ罪量刑軽減の実態明らかに

中国当局が、スパイ罪で実刑判決を受けたアステラス製薬の日本人男性社員に対し、取り調べ時に自白を促し、その見返りとして量刑の軽減を示唆していたことが関係者への取材で明らかになった。複数の大手報道機関や共同通信などの情報によれば、今回の事例は中国における「司法取引」の実態が報道機関を通じて詳しく判明した、きわめて異例のケースとされている。

この男性社員は、中国でスパイ活動を行ったとして2025年7月16日、北京市の裁判所から懲役3年6月の実刑判決を受けた。判決理由として、中国の裁判所は男性が日本の情報機関の依頼に応じて中国国内情報を提供し、その報酬を受け取っていたと認定した。取り調べの際、中国当局は2018年に導入された刑事訴訟法の新たな規定を根拠に、自白すれば量刑が軽くなる制度について説明したという。

関係筋の話では、こうした自白と引き換えの量刑軽減は「事実上の司法取引」とみなすことができるが、中国国内の有識者からは「強制的な自白につながる恐れがある」との指摘も上がっているという。この新制度は適用例自体が少なく、邦人拘束事案でその実態が明らかになるのは非常に珍しいとして各報道機関も報じている。

▶ 続きを読む
関連記事
カナダ映画『超限戦』を10月、東京とさいたまで上映。パンデミック下で拘束されたウイルス学者を描き、科学と権力、情報統制をめぐる問いを投げかける
日本の柔道女子選手、前田凛は10月1日、女子70キロ級で金メダルを獲得した。準々決勝で中国の唐婧と対戦した際、相手に20秒以上にわたり腕をかまれ、この思わぬ出来事が日中で大きな話題となっている
木原稔官房長10月2日記者会見において、北海道共同募金会が運営する「赤い羽根共同募金」をめぐり、寄付金約2億5千万円の使途が不明となっている問題を取り上げ、「大変遺憾である」との認識を示した
食卓を支える農村が消える?2050年、全国の4分の1の集落が機能停止の危機に直面。食料・安全保障危機を未然に防ぐため、守るべき農地の「線引き」や広域連携、「農村の終活」という新たな選択肢に迫る
聖書の「バベルの塔」の物語を手がかりに、AI開発競争を考察。技術や資本の集中、共通基盤への依存、競争から取り残されることへの懸念など、現代のAI開発と物語に共通する構図を探る