イメージ画像。中国農業銀行・上海支店前、ATMを利用する市民の姿。(MARK RALSTON/AFP via Getty Images)
「貸し借り」を演じる現場の実態とは

ノルマのための融資ごっこ 中国銀行業界を覆う異常事態

中国経済の冷え込みが続くなか、各業界に「ノルマ地獄」とも言える過剰な成果主義が蔓延し、中でも銀行業界では、消費者向け融資のノルマ達成をめぐり、行員同士が「貸したふり・借りたふり」をする異常な実態(中国語:互換貸款)が広がった。

SNS上では、こうした「偽装ノルマ」に協力してくれる相手を募る投稿が目立ち始めており、条件として「勤務歴1年以上」「住宅積立金の納付済み」といった要件が記されることもある。ただの助け合いではなく、ノルマ未達なら減給・査定ダウンが待ち受けるという、現場のサバイバル戦だ。

エポックタイムズの独自取材により、その過酷な実態を明らかにした。河南省の農村商業銀行に勤務する行員・李さんは「窓口係の自分にも消費者ローンの勧誘ノルマが課せられていて、達成できないときは、親戚や友人に頭を下げて協力してもらうしかない。銀行は、達成手段など問わず、とにかく“結果”だけを求めてくる」と明かす。さらに李さんは、「週ごとのノルマがあり、1週間で達成できなければ300元(約6000円)が給与から天引きされる」と、そのプレッシャーの厳しさを吐露した。

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