安倍晋三元首相の記念写真展で式辞を述べる蔡英文総統(台湾総統府提供)

日本政府が拒否していた 台湾前総統・蔡英文氏の「安倍元首相三回忌参列希望」 中共への配慮浮き彫りに

昨年7月、台湾の蔡英文前総統が安倍晋三元首相の三回忌に参列するため来日を希望したが、日本政府はこれを認めなかった。この決定は、中国の反発を懸念したためであるということを共同通信などが報じた。

岸田政権は当時、中国との関係改善に注力していた。特に、中国による日本産水産物の輸入停止措置解除を目指しており、蔡氏の来日が、その努力に悪影響を及ぼす可能性があると判断したという。複数の日台関係筋によれば、政府高官は「日中関係は重要な時期にある」として、蔡氏の来日取りやめを強く要請したという。

中国共産党政権は、台湾を自国領土とみなし、「一つの中国」の原則に基づき台湾総統経験者の来日を厳しく批判してきた。過去には、2001年に、台湾の李登輝元総統が病気治療で来日した際、中共側が強い反発を示した例もある。

▶ 続きを読む
関連記事
頼清徳総統は、訪台した日本の国会議員団と会談し、サプライチェーンのリスクや経済安全保障を巡り、日台の連携を一層深める必要性を強調した。
高市総理は著名クリエイターらと意見交換を行い、日本文化の世界発信を表明。外交現場で実感した「コンテンツの力」を背景に、550億円の基金を活用し、成長戦略として産業を強力に支援
日本とメルコスールは「戦略的パートナーシップ枠組み」を創設。貿易やGX分野で協力を深め、未来志向の経済関係を築く堅固な基盤を提供する。年明けには初会合を予定し、将来の経済連携に向けた議論を加速させる
12月、IAEAタスクフォースが第5回目となる安全性レビューのため訪日。放出実績の議論や現地調査の結果、安全が改めて確認された。今後も透明性の維持と国際的な理解促進が進められる
高市首相は中央アジア5か国と初の首脳会合を開催した。「東京宣言」を採択し、3兆円規模のビジネス目標やODA締結を含む「東京イニシアティブ」を立ち上げ、互恵的なパートナーシップの新時代を切り拓く