体重が減りにくい場合、食べる量を減らすのではなく、食事の時間を早めること、そして夜の照明を落とすことが鍵かもしれません。
就寝3時間前までに食事を終え、夕方以降の照明を落とすことで、心臓の健康が改善する可能性があることが、リスクの高い高齢者を対象とした新しい研究で明らかになりました。
「重要なポイントは、制限的な食事療法やカロリー計算をせずに、食事のタイミングをシンプルかつ持続可能な形で変えるだけで、中高年層の心血管代謝の健康を有意に改善できる可能性があるということです」と、ノースウェスタン大学ファインバーグ医学校睡眠医学部門の研究准教授で、本研究の筆頭著者であるダニエラ・グリマルディ博士はエポックタイムズに語りました。
重要な点として、参加者は食べる内容やカロリー量を変えていません。
「睡眠との関係における食事のタイミングは、何をどれだけ食べるかと同じくらい重要かもしれません」とグリマルディ博士は述べました。
研究で明らかになったこと
2月に『Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology』誌に掲載されたこの試験には、36歳から75歳までの過体重または肥満の成人39人が参加しました。一方のグループは夜間断食を13〜16時間に延長し、通常より2〜3時間長くしました。両グループとも就寝3時間前から照明を落としました。
介入グループでは、日中の血糖コントロールの向上や、より自然な心臓活動の日内パターンなど、最も顕著な改善が見られました。
遵守率は約90%と高く、この方法が実際に続けやすい実用的なアプローチであることを示しています。
タイミングが重要な理由
その科学的根拠は、体内時計にあります。睡眠中、体は自然にエネルギー消費を抑え、血糖の利用を減らし、神経系を落ち着かせます。就寝直前、特にメラトニン分泌が始まる就寝2〜3時間前の食事は、これらのプロセスを乱し、体が食物を処理する能力を低下させることで、体重増加やインスリン抵抗性、血糖コントロールの悪化を引き起こす可能性があります。
これを裏付ける研究では、決まった就寝時間に対して遅い時間の食事は、早い時間の食事に比べて、体重増加やインスリン抵抗性、血糖コントロールの悪化と関連していることが示されています。これは、睡眠に関連する正常な自律神経機能や代謝機能を乱すためと考えられています。
研究者らは、就寝前2〜3時間が、メラトニン分泌が上昇し始める「代謝的に重要な時期」であると指摘しています。メラトニンが高い時間帯に食事をすると、代謝機能に悪影響を及ぼす可能性を示す証拠も示されました。
グリマルディ博士は、夜間断食を約3時間延長し、最後の食事を就寝少なくとも3時間前に済ませることで、睡眠中の血圧と心拍数が低下し、夜間の血圧の自然な低下も改善される可能性があると述べました。
睡眠スケジュールは人によって異なるため、研究者らは固定時刻ではなく、各参加者の個別の睡眠タイミングを中心に介入を設計しました。これが、遵守率の高さと有意な結果の両方につながった可能性があります。
グリマルディ博士は、参加者の大半が女性であったため、性差に関する決定的な結論を出すには限界があったと指摘しました。しかし、性別を調整した分析では明確なパターンは見られず、「男女間の反応の違いを示唆する結果は確認されなかった」と述べています。
時間制限食は誰にでも合うわけではない
睡眠中に食事を避け、就寝前の食事時間を制限して夜間断食を延ばすことは、総断食時間を延ばしつつ、つい食べてしまう時間を減らす創造的な方法だと、研究には参加していないクリーブランドのCase Western Reserve大学栄養学部長のホープ・バルコウキス氏はエポックタイムズに語りました。
彼女は、断食時間が長いほど潜在的な利益が大きい可能性があると強調し、断食時間を延ばすことで、血糖コントロールの改善や血圧の低下、全身の炎症の減少が見られた研究を紹介しました。
しかしバルコウキス氏は、断食が誰にでも健康的なわけではないと述べています。
「常に主治医に相談することをおすすめしますが、妊娠中や授乳中、がん治療中、免疫不全の方など、リスクのある人は、断食時間の長さにかかわらず、断食を中心とした食事パターンに重点を置くべきではありません」と彼女は言います。
「重要なのは、できる限り加工されていない、栄養密度の高い全食品を中心とした全体的な食事パターンに焦点を当てることです。つまり、カロリーあたりに、ビタミンやミネラル、タンパク質、複合炭水化物、オメガ3などの健康的な脂肪が十分に含まれているということです」
また、さまざまな低脂肪の動物性タンパク質や植物性タンパク質、色の濃い野菜、丸ごとの果物、全粒穀物のパンや炭水化物、食物繊維を積極的に摂取することを勧めています。
(翻訳編集 日比野真吾)
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