心臓のドキドキは単なる動悸か、それとも脳卒中の前兆か? 医師が教える対処法

多くの人が一度は経験したことがあるでしょう。心臓が突然「ドキドキ」と激しく打ち、リズムが乱れたように感じる――これは単なる一時的なものなのか、それとも脳卒中や突然死につながる危険なサインなのか、循環器内科医の劉中平氏は、新唐人テレビの番組『健康1+1』で、注意すべき不整脈の症状や、動悸が起きた際の対処法について解説しました。
 
まず、多くの人が胸の不快感を全部「動悸」だとまとめがちです、「動悸」は医学的には「心拍の異常(速い・遅い・不規則など)を自覚する状態」を指します。胸の痛みや圧迫感なども「動悸」だとお医者さんに伝えると、誤診につながる可能性があります、受診時には「どのような感覚か」「めまいや息切れ、胸痛を伴うか」といった具体的な症状を伝えることが重要です。
 

3種類の心拍異常

心拍は生命のリズムであり、人間の心臓は1日に約10万回拍動し、全身に血液を送り出しています。劉中平氏は、通常であれば私たちは心拍をほとんど意識することはありませんが、異常が生じると体はさまざまなサインを発すると指摘します。

劉氏は、よく見られる心拍異常の自覚症状を次の3つに分かれているといいます。

1.持続的な拍動異常

患者は「一日中ずっと心拍が速い」「数分間続いた後に一旦止まり、また繰り返す」などと明確に自覚がある症状の場合、まず「不整脈」の可能性を考えられます。不整脈とは、心拍が不規則になる状態で、頻脈、徐脈、動悸などを含まれます。

2.単発の乱れ

症状が持続せず、「一回激しく打ってすぐ消える」「胸を一瞬叩かれたような感覚がある」のように単発、あるいは2~3回連続する異常拍動は、医学的には「期外収縮(Premature beat)」と呼ばれています。発作は短時間であるものの、運転中や運動中に起こると一瞬の意識低下を招く可能性があり、潜在的なリスクがあります。

3.まれに出るな症状

「胸が重苦しい」「違和感がある」「やや息苦しい」といった、心拍とは直接関係ないように見える症状もあります。高齢者の場合、顔色の変化で気づく場合もあります。どれも心拍異常によって身体機能に影響をもたらしたサインとなります。
 

心拍の乱れの原因

心臓の周囲は心膜と心膜液に覆われており、拍動時の摩擦を減らす潤滑の役割以外、外部からの衝撃から心臓を守る役割も果たしています。いわばクッションのような働きをしたため、人間は通常心拍の衝撃を感じにくくなっています。

劉氏は、心拍の乱れを感じる原因は大きく2つに分けられると説明します。

1.外部環境および生理的要因

  • 精神的要因:緊張時には心拍が速くなり、リラックスの時には遅くなります。
     
  • 生活リズムや体調:睡眠不足、発熱、下痢などの体調不良は心拍数を上昇させます。
     
  • 環境要因:急激な気温変化が心拍に影響を与えます。
     
  • 食事要因:コーヒーや濃いお茶、辛い食品の過剰摂取が心拍の乱れを誘発する場合があります。

このような一時的な刺激による症状は、生活習慣を改善すれば多く軽減できます。

2.心臓のリズム制御系の異常

心臓には拍動を制御する精密な「リズムシステム」が備わっています。このシステムに異常が生じると、たとえ精神的に安定していても、突然心拍が乱れることがあります。専門的な診断と治療が必要であり、自他とも外的要因を疑う必要はありません。
 

どの程度の速さが異常か

よく「心拍が速い」と言われるが、その基準について劉氏は次のように説明しました。

1.絶対的基準

安静時の心拍数が1分間に100回を超える場合、頻脈とされ、注意が必要です。

2.相対的基準

通常の心拍数より1分間に30回以上増加した場合も不快症状が出る可能性があります。例えば、普段60回の人が90回に上昇した場合、100回未満であっても急激な変化により不調を感じることがあります。
 
さらに、「生理的な増加」と「病的な不整脈」を区別することが重要であります。運動や発熱による増加は正常な電気伝導のもとで起きますが、不整脈は異常な電気信号によって心臓の収縮が乱れ、機能低下や命の危険につながる可能性があります。
 

特に致命的な2つの不整脈

心臓の乱れは脳卒中や突然死につながる可能性もあります。劉氏は、多くの不整脈は良性であるものの、悪性不整脈は突然死の主因であり、特に注意が必要あると強調しました。次の2つの不整脈があれば、特に気を付けなければいけません

1.心房細動

心房が十分に収縮できず、血液が滞留して血栓が形成されやすくなります。血栓が脳へ流れると脳卒中を引き起こします。無症状のケースも多く、気づかないまま静かに大きなリスクを抱えているようになるかもしれません。

2.心室頻拍 

このような症状はいずれも心電図検査によって診断されるものであり、自覚症状のみで判断することは極めて困難であります。そのため、心臓の異常を感じた場合は自己判断を避け、速やかに医療機関を受診することが大事であります。
 

受診が必要な4つのポイント

以下のいずれかに該当する場合、早急な受診がお勧めです。

  1. 発作が30秒以上持続する場合、持続性のある不整脈の可能性が高く、受診をお勧めです。
     
  2. 短期間に繰り返し発生する場合、数か月に一回、熱が出たり、ストレスを感じたりするような特定な場面に起きる場合はともかく、一週間のうちに何度も繰り返した場合、放電異常と考えられ、早急の受診をお勧めです。
     
  3. めまい、胸部不快感、胸痛、呼吸困難を伴う場合、このような症状を伴う不整脈は発作された場合、血液循環や心臓機能に悪影響を及ぼしたサインだと考えられ、早急の受診をお勧めです。
     
  4. 医療資源が限られる地域に居住する場合、または長距離移動する前に、心臓に違和感を感じましたら、早めの受診をお勧めです。医者や設備が整えなかった地域で発作すると、命にかかわります。
     

動悸発作時の対処(3ステップ)

動悸が突然に襲って来たとき、命を守るために、どう対処すべきかについて、陳氏は次のようなアドバイスをしました。

1.直ちに座る、または横になる

動悸が起きたときは、心臓の拍出機能が低下し、全身の血液循環に影響を及ぼす可能性があるため、めまいやふらつきが起こりやすくなります。このような場合は、すぐに活動を中止し、座るか横になって休み、失神による転倒やけがを防いでください。

2.呼吸をゆっくり整える

過度な呼吸を避け、落ち着いた呼吸を意識することで症状の悪化を防ぎます

3.副交感神経を刺激する

水を飲んだり、唾を飲み込んだりすることによって自律神経のバランスと整えやすくなります。また、軽く息を吸い、腹部に力を入れて数秒息を止める方法も有効とされるが、めまいを感じた場合は直ちに中止しましょう。

上記の方法で改善しない、または症状が悪化する場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。
 

発作時の記録をつける

劉氏は、発作時に次の情報を記録することで診察の時に役立つと指摘します。

1.発生時刻と状況

発生した時間や持続時間に加え、その時の行動(安静、食後、運動中など)や飲食内容を詳しく記録しましょう。忘れないうちに、スマートフォンやメモでリアルタイムに記録することを推奨します。

2.心拍数の測定

  • 機器による測定:血圧計、スマートウォッチ、パルスオキシメーターなどで測定します。
     
  • 手動測定:機器類はなければ、頸部や手首に指を当て、脈拍を1分間計測します。

一部のウェアラブル端末には簡易心電図機能も搭載されていますが、動きや接触不良によって誤差が生じる恐れがあるため、安静状態で乾燥な皮膚に密着させて測定することが重要です。

(翻訳編集 正道勇)
 
 

英文大紀元が提供する医療・健康情報番組「健康1+1」の司会者を務める。海外で高い評価を受ける中国の医療・健康情報プラットフォームであるこの番組では、コロナウイルスの最新情報、予防と治療、科学研究と政策、がんや慢性疾患、心身の健康、免疫力、健康保険など、幅広いテーマを取り上げている。
林一山