コーヒーは世界中で愛される人気の飲み物です。目を覚ます効果があるだけでなく、適切に飲めば肝臓を守り、心臓の健康をサポートし、血圧や血糖を安定させるなど、さまざまな健康メリットが期待できます。しかし、飲み方を間違えると、逆に健康リスクを高める可能性もあるため注意が必要です。
本記事では、コーヒーが体に与える影響や、最適な飲むタイミング、適量の目安、体質別の飲み方のポイントなどを詳しく解説します。健康的にコーヒーを楽しむ方法を学び、毎日の習慣に取り入れてみましょう!
こう飲めば脂肪肝を防げる
研究によると、コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」は強力な抗酸化作用を持ち、炎症を抑えるだけでなく、脂質や糖の代謝を改善し、脂肪肝のリスクを軽減することが分かっています。さらに、複数の研究を統合したメタ分析でも、コーヒーを習慣的に飲む人は、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の発症リスクが低く、進行による肝線維化のリスクも抑えられることが示されています。
コーヒーが体内に入ると、肝細胞の「アデノシン受容体」と結びつき、肝線維化を抑え、肝硬変の予防につながることが分かっています。
肝機能の数値が高めの人は、砂糖やクリームを加えないブラックコーヒーを選ぶことで、肝臓への負担を軽減できます。ただし、コーヒーの飲みすぎは逆効果になる可能性があるため、適量を守ることが大切です。
こう飲めばスッキリ目覚める
仕事の効率を上げるには、コーヒーを飲むタイミングが重要です。神経科学の研究によると、朝10時〜12時と午後1時半〜2時は、体内のコルチゾール(ストレスホルモン)レベルが急激に低下する時間帯。このタイミングでコーヒーを飲むと、眠気を防ぎつつ、集中力を高める効果が期待できます。
1日2〜3杯(1杯約240ml)までが適量で、飲みすぎると体に悪影響を及ぼす可能性があります。
研究によると、1日1〜2杯のコーヒーを飲む人は、飲まない人やデカフェを選ぶ人、1日6杯以上飲む人に比べて、認知症のリスクが低いことが示されています。つまり、適量・適切なタイミングで飲むことで、コーヒーのメリットを最大限に活かすことができるのです。
こう飲めば心臓を守れる
アメリカ心臓学会の研究によると、健康な人が1日2~3杯のコーヒーを飲むと、冠動脈疾患、心不全、虚血性脳卒中(脳の血流が不足するタイプの脳卒中)などの心血管疾患のリスクや死亡率が低下することが分かっています。この効果は、カフェイン入り・カフェインレス、ドリップコーヒー・インスタントコーヒーのいずれにも見られるとのこと。さらに、ドリップコーヒーやインスタントコーヒーは、不整脈のリスク低減とも関連があると報告されています。
特に、「浅煎りのブラックコーヒー」は、コーヒーに含まれる抗酸化成分「クロロゲン酸」をより多く保持しており、心血管の健康維持により効果的だとされています。
ただし、心臓病のある人、中風(脳卒中)から回復中の人、高血圧の人は、コーヒーの飲み方に注意が必要です。飲む前に医師に相談し、低品質のコーヒーは避けることで、心臓への負担を減らすことができます。
また、アメリカ心臓協会の2022年の研究では、重度の高血圧の人がコーヒーを大量に飲むと、心血管疾患による死亡リスクが上昇する可能性があると指摘されています。ただし、軽度の高血圧や健康な人では、そのようなリスクは見られません。
こう飲めば血圧・血糖を安定
ブラックコーヒーにカカオ70%以上の高カカオチョコレートを組み合わせると、血糖や血圧の調整に役立つ健康的な組み合わせになります。コーヒーに含まれるポリフェノールには、中性脂肪(トリグリセリド)や総コレステロールを下げる効果があるとされています。一方、高カカオチョコレートは血糖値を安定させ、2型糖尿病のリスクを低減する効果が期待できます。もし甘みが欲しい場合はミルクチョコレートを選ぶこともできますが、健康効果の面では高カカオチョコレートの方が優れています。
胃が弱い人は深煎りコーヒーを選ぼう
胃もたれしやすい人や、胃酸の逆流(胃食道逆流症)が気になる人には、深煎りコーヒーがおすすめです。深煎りコーヒーにはN-メチルピリジニウムという成分が含まれており、胃酸の分泌を抑え、不快感を軽減する効果が期待できます。
また、ミルクや砂糖、バターを加えたコーヒーは避けたほうが無難です。特にラテ系のコーヒーは、胃酸の分泌を促し、胃もたれや胃酸逆流を引き起こしやすくなるため、消化が弱い人には向きません。
さらに、朝起きてすぐの空腹時にコーヒーを飲むのもNGです。コーヒーのカフェインが胃酸の分泌を刺激し、胃への負担を増やしてしまいます。胃を守るためには、食事の後、少し時間を置いてから飲むのが理想的です。
コーヒーは健康に良い飲み物ですが、飲み方には工夫が必要です。自分の体質に合った種類を選び、適切なタイミングと適量を守ることで、コーヒーのメリットを最大限に活かしつつ、胃への負担を減らすことができます。
(翻訳編集 華山律)
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