2024年の紙と電子を合算した出版市場の推定販売金額は前年比1.5%減の1兆5716億円となり、3年連続で前年割れを記録した(shutterstock)

出版市場 電子出版は成長も紙出版の落ち込み続く

公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の調査によると、2024年の紙と電子を合算した出版市場の推定販売金額は前年比1.5%減の1兆5716億円となり、3年連続で前年割れを記録した。ただし、減少幅は縮小しており、紙の出版が前年比5.2%減だった一方、電子出版は前年比5.8%増と堅調に推移している。紙出版は書籍・雑誌ともに減少したが、電子出版はコミック、書籍、雑誌すべてでプラス成長を記録した。

紙出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は前年比5.2%減の1兆56億円となり、依然として厳しい状況が続いている。内訳は、書籍が前年比4.2%減の5937億円、雑誌が同6.8%減の4119億円で、特に雑誌の減少幅が大きかった。書店の閉店が相次ぐ中、書籍・雑誌ともに販売部数は減少傾向にある。しかし、一部の既存店舗では店頭売り上げが前年を上回るなど、回復の兆しも見られる。

特に書籍分野では、文芸書や学習参考書、ビジネス書が好調で、これらのジャンルが市場を下支えしている。

▶ 続きを読む
関連記事
留学生の学費は見直しが進む。早稲田大が引き上げを検討し、東北大は2027年度から1.7倍の90万円へ。支援体制の負担増が背景にある。
国内線の路線維持に向け、国土交通省が航空会社どうしのダイヤ調整を、減便せず便数を保つことを条件に認める方針を示すことになった。便が同じ時間帯に集中する課題を改善し、搭乗率の向上につなげたい考えだ。
次期米大統領選の鍵を握るZ世代。彼らは傍観者ではなく、困難な経験から育まれた切迫感と多様な意見で政治を動かし始めている。既存政党は彼らの「言葉」を理解し、対応できるのかを問う
古代から続く中国伝統文化の精神を現代に甦らせる神韻芸術団。その豊かな芸術世界を紹介する「神韻作品」ポスター展が、12月と1月に東京都内で開催される
三年もの間、民の課役をゆるし倹約を貫いた仁徳帝。民の竈の煙に安らぎを見いだしたその御心は、豊かさの本質を問い直す今の日本にも静かに響いている