毎日の食事でたんぱく質をバランスよく摂るのは、意外と難しいですよね。しかし、大豆ならエネルギーをしっかりキープでき、特にベジタリアンにとっては頼りになるたんぱく質源です。さらに、大豆にはいろんな健康効果があるので、料理にも幅広く使えますよ!
大豆にはどんな種類があるの?
大豆には、黄色、黒色、緑色(枝豆)の3種類があります。枝豆は未熟な大豆で、成熟した大豆はその種類によって黄色か黒色に分かれます。
たんぱく質が足りないと、お腹が空きやすくなったり、疲れを感じやすくなったりします。それだけではなくて、骨折しやすくなったり、筋力が落ちたり、むくみや肌荒れの原因になることもあります。有機栽培の高品質な大豆を食事に取り入れると、筋肉の成長を助けたり、カルシウムをしっかり補給したり、血管を健康に保つ効果が期待できます。
黄色の大豆の健康パワー
黄色の大豆には、植物性たんぱく質やイソフラボン、不飽和脂肪酸がたっぷり入っています。2023年にNutrients誌に発表した研究によると、大豆製品を食べることで、2型糖尿病や心臓病のリスクを減らせます。この研究では、大豆をよく食べる人たちは、あまり食べない人たちと比べて、2型糖尿病のリスクが17%、心血管疾患が13%、冠動脈性心疾患が21%低かったという結果が出ています。
黄色の大豆はそのまま食べられないので、調理が必要です。例えば、ご飯に一緒に炊き込むと、もちもちした食感とほのかな豆の香りが楽しめて、栄養も吸収しやすくなります。作り方も簡単です。大豆を6時間くらい水に浸けておいて、水を切ったら洗ったお米に混ぜて炊くだけです。
大豆を食べるとお腹が張る人もいるかもしれません。そんなときは、豆乳や発酵させた味噌や納豆などがオススメです。発酵食品のたんぱく質はアミノ酸に分解されているので、消化がしやすくなり、お腹が張りにくくなりますよ。
2023年にScientific Reportsに発表した研究によると、納豆にはビタミンK2が豊富で、心臓や血管の健康を守る効果があります。それだけではなく、腸内の環境を整えたり、腸の炎症を抑えたり、動脈硬化の進行を防いだりすることもわかっています。
ベジタリアンのためのたんぱく質摂取
「植物性のたんぱく質だけでは、栄養不足になるのでは?」と心配する人もいますよね。しかし、実際には、肉を食べる人と比べて、たんぱく質不足や貧血になりやすいわけではありません。
ポイントは、いろんな食品からたんぱく質を摂ること。例えば、玄米と豆腐、枝豆入りの焼きそばを組み合わせるといいですよ。穀物には大豆で不足しがちなメチオニンが含まれていて、大豆には穀物に少ないリジンがたっぷり入っています。この2つを組み合わせることで、体に必要な必須アミノ酸をしっかり補えます。
大豆を楽しむ2つのレシピ
大豆は色々な料理に使える便利な食材です。今回は、大豆を使ったおいしい炒め物と、手軽に作れる黒豆茶をご紹介します。
「枝豆と豆腐の炒め物」
枝豆はたんぱく質が豊富で、豆腐にはカルシウムがたっぷり含まれています。この2つの食材を組み合わせると、たんぱく質とカルシウムが摂取できる栄養満点でおいしい料理になります。さらに、炒め物に豚の赤身肉を加えると、肉を食べる人にとって食べごたえのある一品に仕上がります。
材料
- 枝豆(60グラム)
- 豆腐(お好みで)
- にんじん(1/3本)
- エリンギ(1本)
- 生姜(2スライス)
- ごま油(5グラム)
- サラダ油(30グラム)
- 砂糖、塩、白こしょう、醤油(適量)
手順
- 鍋にお湯を沸かし、枝豆を30秒間ゆでたら冷水に移します。豆腐も同じように30秒ゆでておきます。
- エリンギ、にんじん、豆腐を一口サイズに切り、生姜は細かく刻みます。
- フライパンにサラダ油を熱し、刻んだ生姜をさっと炒めます。次ににんじんを加え、半分くらい火が通るまで炒めます。
- 豆腐を加えて香りが出るまで炒め、さらにエリンギと枝豆を入れます。
- 砂糖、塩、醤油、白こしょうで味を調え、最後にごま油をかけたら完成です!
「黒豆茶」
伝統的な中医学では、黒豆は「腎臓を助ける」「視力を良くする」「むくみを取る」「長寿をサポートする」などの働きのある健康食材だと信じられています。頻繁に残業したり、精神的な疲労に悩まされている人にとって優れた飲み物です。
材料
- 黒豆(10グラム)
- 水(500ミリリットル)
手順
- 黒豆をよく洗って水を切ります。それから、フライパンで弱火でじっくり煎ります。
- 豆の皮がパリッと割れて香ばしい香りがしたら火を止めます。
- 煎った黒豆を容器に移し、熱湯を注いで10分蒸らせばできあがり!
もし「疲れがとれないな」と感じるときは、この黒豆茶に「オウギ」と呼ばれる生薬のスライスを数枚加えてみてください。オウギは免疫力を高めたり、元気を取り戻すのに役立つ生薬です。おまけに、オウギを使った伝統的な漢方の薬「オウギ湯」は胆汁のうっ滞性肝線維症の進行を阻害することで、慢性肝疾患の治療に役立ちます。
このように、大豆を使った料理や飲み物をぜひ日常に取り入れて、栄養をしっかり摂ってみてください!
たんぱく質の適切な摂り方
高たんぱく食品の選び方
魚、鶏肉、赤身の牛肉や豚肉、ラム肉、エビ、チアシード、鴨肉、卵などは、高たんぱく食品としておすすめです。もし大豆や肉を食べたあとにお腹が張るような感覚がある人は、魚や卵、乳製品を試してみてください。これらは消化がしやすくて、お腹の張りを感じにくいですよ。
たんぱく質を摂りすぎないために
たんぱく質は筋肉をつくるために大切な栄養素ですが、摂りすぎると肝臓や腎臓に負担をかけてしまうことがあります。体が余分なたんぱく質を分解するときに、アンモニアという有害な物質が出ます。肝臓はこれを尿素という安全な形に変えるのですが、処理が多すぎると肝臓や腎臓が疲れてしまいます。
1日に必要な量
どのくらいたんぱく質を摂ればいいのか気になりますよね。健康な大人の場合、1日に必要な量は体重1キロあたり8グラムとされています。たとえば、体重60キロの人なら1日に48グラムのたんぱく質を摂るのが目安になります。
大豆のイソフラボンはどうなの?
「大豆に含まれるイソフラボンがエストロゲン(女性ホルモン)を増やしてしまうのでは?」と心配する人もいます。でも安心してください。大豆のイソフラボンは確かにエストロゲンに似た作用をしますが、その力は弱いのです。それどころか、体の状態に合わせてエストロゲンのバランスを整える役割を果たしてくれます。
遺伝子組み換え大豆は大丈夫?
遺伝子組み換え大豆が体に悪影響を与えるかどうかについては、まだ意見が分かれています。そのため、できるだけ有機大豆や有機大豆製品を選ぶと安心です。
*注意 この記事で紹介している生薬や食品の中には、あまり見慣れないものもあるかもしれません。しかし、健康食品のお店やアジア系のスーパーで購入が可能です。特定の健康相談が必要な場合は、ぜひ専門医に相談ください。
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