厚生労働省が8日発表した8月の毎月勤労統計調査によると、実質賃金は前年同月から0.6%減少し、3カ月ぶりにマイナスに転じた(厚労省)

実質賃金は3か月ぶり減少 賞与効果薄れ

厚生労働省が10月8日に発表した8月の毎月勤労統計調査によると、名目賃金は一人平均29万6588円で、前年同月比3.0%の増加を記録した。これで名目賃金は32か月連続でプラス成長を続けており、きまって支給される給与も28万3637円で3.0%増加し、32年4か月ぶりの高い伸びを見せた。一方、物価上昇を考慮した実質賃金指数は、現金給与総額で84.1となり、前年同月比で0.6%減少。3か月ぶりのマイナスを記録した。

就業形態別の名目賃金

一般労働者

一般労働者の現金給与総額は37万7861円(2.7%増)で、41か月連続で増加。特に、所定内給与は33万3182円で前年同月比2.9%増加し、過去最高の伸びを記録した。

パートタイム労働者

パートタイム労働者の現金給与総額は11万33円で、3.9%増加した。また、時間当たりの所定内給与は1363円で前年同月比4.8%増加し、38か月連続で増加している。パートタイム労働者の比率は30.40%と、0.06ポイント上昇している。

実質賃金の動向

一方、名目賃金から物価変動の影響を除いた実質賃金(令和2年平均=100)は、現金給与総額で84.1となり、前年同月比で0.6%減少。3か月ぶりのマイナスを記録した。これは、5月まで過去最長となる26か月連続の減少が続いた後、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が前年同月比3.5%上昇した影響が大きい。物価上昇が続く中で、実質賃金は引き続き厳しい状況が続いている。

6〜7月は、賞与が給与総額に占める割合が大きく、その伸びが実質賃金を押し上げたが、8月には賞与の影響が薄れた結果、物価上昇の影響が再び顕著となり、実質賃金が減少した。これにより、労働者の購買力が引き続き低下し、家計への負担が重くなっている状況が浮き彫りとなった。

共通事業所ベースの現金給与総額は前年同月比で3.1%増加し、一般労働者は3.2%、パートタイム労働者は4.2%の増加となった。

一方、就業形態全体での所定外労働時間は9.3時間で、前年同月比3.1%減少している。残業時間の削減が進む中で、所定外労働時間が短縮されていることが確認された。

橘官房副長官は閣議後の記者会見で、各都道府県で実施される地域別の最低賃金の改定も含めて引き続き注視していく」とし、「将来の経済のパイ(経済学では分け合うべき総量や利益全体を表わす用語)を拡大する施策を集中的に強化することで物価上昇を上回る賃金の増加を実現していきたい」と述べた。

 

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