ナスの驚きの栄養効果 油を使わない調理のコツ

ナスにはいろいろな品種があります。色なら最も多い紫なすから、青いなすや白いなすもあります。形なら、長なす、丸なす、中長なす、水ナスなどあります。日常生活によく見かける野菜として、色が鮮やかで栄養満点の特徴があり、ビタミンやミネラルなど栄養素も豊富に含んでいます。

また、食物繊維もたっぷりで、健康促進に大いに役立ちます。まさにベジタリアンにとって重宝する野菜と言えるでしょう。

ただし、ナスを調理する際に、油をたくさん吸い込むことを気にする方は少なくないでしょう。

この記事では、少ない油でおいしく仕上がる、ナスの健康的な調理法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
 

ナスの栄養がすごい

紫色のなすはアントシアニンを豊富に含んでいるほか、ポリフェノールなど抗酸化物質も入っています。これらの栄養素が細胞の損傷を軽減し、慢性疾患のリスクを減らす効果があります。なすの皮に含まれているナスニンなどの抗酸化剤は活性酸素を除去する能力が高いとして知られ、心臓を酸化ストレスから守り、心臓病の予防に役立ちます。

なすの皮に含まれる「ナスニン」などの抗酸化剤は、活性酸素を除去する能力が高いとして知られ、心臓病の予防に役立つとされる(Shutterstock)

 

ナスに含まれている抗酸化物質は肥満症やその合併症に対抗作用があり、呼吸改善もできます。ナスはマンガンの供給源であり、炭水化物や脂肪の代謝を促進します。さらに、カリウムというミネラルも含まれているので、血圧を下げ、健康水準を整える効果もあります。

ナスは食物繊維が豊富で、コレステロールを下げ、血糖値を安定させ、腸の健康を促進します。また、含まれている植物栄養素は認知能力や脳の健康を向上させる効果も期待できます。

ナスの炭水化物の含有量は少なく、体重管理にとって、理想的な選択肢でもあります。なす一食分(野球ボールの大きさ)には、炭水化物の含有量が5グラム未満となります。なすに含まれている食物繊維は、血糖値やインスリンの数値を調整するのに大いに役立ち、また、満腹感をもたらすので、減量も促進します。
 

少量の油でナスを調理する方法

ナスを調理する際に、多くの人は油をたくさん吸い込むことを気にします。確かに、中身はふわふわのスポンジのようで、油を吸収しやすいです。調理する際に、油を吸い込み過ぎると、健康面、もちろん味にも影響を与えてしまうことがあります。美味しく健康的にナス料理を楽しむために、以下の方法を
参考にしてみるといいでしょう。

 
1. 高温調理

フライパンを使って、強火で一気に炒めることをお勧めします。高温により、ナスの表に素早く保護層ができて、油をはじくようになります。油っぽくなりやすいため、揚げることを避けましょう。
 

2. 塩水に浸ける

切ったナスを塩水に浸けることによって、ナス内部の水分を吸い取ることができます。その後、キッチンペーパーでよくふき取ることで、油が入りにくくなり、酸化による変色も防ぐことができます。
 

3. 乾煎り法

つまり、焙煎法です。油を引かずにナスをフライパンにいれて炒め、柔らかくなってから、少量の油と調味料を加えて、さらに炒めます。この方法で調理したナス料理は、油が少ない上、ナス本来の風味を保つことができます。
 

4. 蒸すか煮る

蒸したり煮たりしてナスに火を通します。冷めてから好みに合わせて、調味料や少量の油で合えると出来上がりです。この方法では、ナスが柔らかくなり、独特な風味を楽しめます。もちろん油の摂取も抑えられます。
 

5. 焼く方法

ナスの表面に油を薄く塗り、シンプルな調味料をかけて焼きます、焼きあがったナスは香ばしくてサクサクとした食感もあり、油分も少ないです。

焼きあがったナスは香ばしくてサクサクとした食感もあり、油分も少ない(Shutterstock)

 

6. 電子レンジ加熱法

炒める前に、スライスや乱切りしたナスを電子レンジで約5分加熱し、半分火を通す状態にします。その後、少量の油で調理すれば、油の吸収を減らすことができます。

上記の調理法を参考し、健康で美味しいナス料理を簡単に作ることができます。油の摂取を減らすだけでなく、ナスの栄養と風味を保ち、食卓をより豊かにしてくれます。
 

ナスを食べる時の注意事項

ナスは栄養豊富ですが、持病のある人は気を付けなければなりません。なすはナス科の植物で、トマト、ピーマン、ジャガイモと同様にアルカロイドを含んでいます。アルカロイドは、炎症反応に繋がる化合物です。関節リウマチや変形性関節症などの炎症性疾患を抱えている人は、ナス科の野菜の摂取を控えることで、症状の緩和に役立つかもしれません。

ナスはトマト、ピーマン、ジャガイモと同様にアルカロイドを含んでいる(Shutterstock)

 

また、稀ではありますが、ナスにアレルギー反応を示す人もいます。たとえば、蕁麻疹や腫れが出ることがあります。

ナスにはシュウ酸塩という植物性成分が含まれており、通常は腎臓によって体外に排出されます。しかし、腎機能が低下している人にとって、過剰なシュウ酸塩の摂取は腎臓に負担をかけ、腎結石のリスクを高める可能性があるため、気を付けなければなりません。
 
ナスはさまざまな方法で食卓を豊かにしてくれますが、持病をもっている場合は、食べる前に医師や栄養士に相談することをお勧めします。安全に健康的にナス料理を楽しみましょう。

 (翻訳編集 正道 勇)