一人の男性はいかにして悲劇を勝利に変えたか(下)

 

栄養で体を癒す

昏睡状態から覚める数日前から、ウィルさんの家族は彼にアロエサプリメントを与え始めました。ウィルさんは現在もそれを飲み続けています。ウィルさんは大紀元のインタビューで、特に左半身の機能回復と脳の治癒に、このサプリメントの効果が大きいと話しています。

サプリメントの主要成分であるアセマンナンは、アロエベラから抽出された植物栄養素と多糖類です。

解剖学と臨床病理学の専門家、レグ・マクダニエル博士がウィルさんの事故後に服用し始めたサプリメントを開発しました。博士は大紀元に、アロエアセマンナンの健康へのメリットを約40年間研究しており、ウィルさんの回復を「私がアロエアセマンナンの健康回復効果を研究してきた39年間で最も驚異的な事例」と述べています。

マクダニエル博士は、アロエアセマンナンが患者の骨髄から成人幹細胞を数百万個生成すると説明しています。

2023年にPharmaceutics誌に掲載されたアセマンナンとその治療への応用に関する43ページのレビュー研究では、アセマンナンには優れた免疫調節効果、抗ウイルス、抗腫瘍、組織再生などの広範なメリットがあるとされています。

アセマンナンはリンパ球、マクロファージ、樹状細胞の活動を調整し、一酸化窒素の生成を促進することで免疫システムを調節して強化します。

「一酸化窒素(NO)は、免疫と炎症に関わる多くの細胞によって生成され、感染症に対する重要な防御分子です。また、マクロファージ、Tリンパ球、抗原提示細胞などの細胞の機能、成長、死を調節する役割も果たしています」と研究は指摘しています。

同レビュー研究は、幹細胞に対するアセマンナンの効果についても触れており、「幹細胞の増殖と分化を刺激し、骨組織再生のスピードと質を向上させる 」と述べています。また、アセマンナンが 「線維芽細胞の増殖とサイトカインの発現を刺激することで軟部組織の治癒を促進する」と述べています。

研究によりアロエが脳にも良い影響を与えることがわかりました。

ウィルさんは大紀元に、当初の報告では脳細胞の多くが黒く、つまり死んでいる状態だったと語りました。サプリメントが脳機能の回復に役立ったとウィルさんは信じています。

マクダニエル博士が共同執筆し、2012年に「Journal of Alzheimer’s Disease」誌に掲載された研究では、アロエベラエキスを含むサプリメントは、アルツハイマー病患者の認知機能が大幅に改善したことが示されました。研究によると、サプリメントを毎日摂取した患者は、9か月と12か月で認知機能が大きく向上し、免疫機能と炎症マーカーも改善され、成人幹細胞の産生が300%増加しました。これは、脳の経領域の修復に寄与するとされています。

 

許しの力

ウィルさんは自身の回復にいくつかの要素が寄与したと話しています。それは家族の神への深い信仰、医師の厳しい見通しを受け入れない決意、身体と脳を治癒させたサプリメント、そして許しの心です。

ウィルさんは「もし家族が互いに責任をなすりつけ合っていたら―つまり母や父がお互いを責めたり、ケイシー(姉)を責めたり、お互いに怒ったり恨んだりしていたら、私の回復のために考えたり祈ったりできなかったでしょう」と述べています。

ウィルさんは、交通事故から復帰した後の高校生活について話しました。

高校に戻ったウィルさんは、かつての多くの友人やクラスメートに拒絶されました。ウィルくんは長期にわたる厳しい回復プロセスを経ており、同級生が簡単にできることを学び直していました。辛い経験でしたが、ウィルさんは努力、時間、そして祈りを経て、彼らを許すことができたと言います。

また、ウィルさんは長年、その日運転していた姉と、仕事のためその日同行しなかった父を許すのに何年も苦労しました。彼は大紀元に、「もし父が同行していれば、父が運転していたはずで、事故を防げたかもしれない」と考えていたと語りました。

ウィルさんは「ですから、父と姉を心から許さなければなりません。許すまでには長い年月が必要でした。彼らを許す過程を日々進め、愛を込めて真実を語ることを心がけてきました」と述べています。

 

将来

将来について問われた際、ウィルさんは自身の計画を語りました。

「私は、人々の精神的な要求に注目しつつ、肉体的な要求にも配慮した、信仰に根ざした健康とウェルネスセンターを開設したいと考えています。家族の支援にも力を入れ、家族が再び結束できるようにする……栄養やフィットネスのサポートはもちろん、人々の霊的な成長を助け、新しい世代に目覚めさせたいと考えています」

彼は牧師としての使命を感じており、自らの経験を伝え、他者を励ますために神が道を開いてくれたとも話しています。ウィルさんは健康・栄養学と神学の二つの学位を目指して勉強を続け、ランニングも続けています。

ウィル・ボッグスさんは事故後、再び走ることに努めた。現在、今年後半に走る予定の 50 キロマラソンに向けてトレーニング中 (ウィル・ボッグス提供)

 

彼は「今は16マイルのレースに向けてトレーニング中ですが、今年の後半には、これまで2回完走した50キロのウルトラマラソンに向けてトレーニングを始めます」と述べました。

 

最後に

彼の人生を引き裂いた事故から19年が経ちました。生存の見込みがなかった少年は、その後も話したり、歩いたり、走ったり、大学に通ったり、結婚したりして、今では3人のかわいい子供の父親になっています。

ウィルさんは、自身の驚異的な回復を神、自らの信仰、体と脳を癒したサプリメント、そして決して諦めなかった家族の愛と決意のおかげだと感謝しています。

苦難に立ち向かっている人、病気と闘っている人、暗闇に迷い込んでいる人に対して何を伝えたいか尋ねられた時、ウィルさんはこのように話しました。

「人生の苦しみや困難は、私たちが神にもっと近づくために、神が私たちに注意を促す手段だと思います」

ウィルさんは聖職者であり伝道者でもあります。現在はリビングウォーターズミニストリーで説教活動を行っています。ウェブサイトでのメッセージは、ウィルさん自身が実現させたことであり、他の人々にも願っている将来のビジョンを明確にしています。

「私の願いは、あなたの人生の壊れた部分を神が取り上げ、美しいものに変えてくれることを見ることです」

ウィル・ボッグスさんと妻のマライア、そして3人の子供たち (ウィル・ボッグス提供)

(完)

 

(翻訳編集 清川茜)

鍼灸医師であり、過去10年にわたって複数の出版物で健康について幅広く執筆。現在は大紀元の記者として、東洋医学、栄養学、外傷、生活習慣医学を担当。