医師が語るがん緩和の秘訣 ごぼうスープの力

ごぼうは健康促進の食材として知られている上、薬の材料としても使い道が広くあります。がん炎症の抑制や鎮痛に役立ち、便秘、肥満、皮膚病など様々な健康問題を改善する効果があります。この記事では、ごぼうの効能及び漢方医からのお勧めの食べ方をご紹介します。
 

ごぼうの効能は凄い

研究によると、ごぼうの根っこに血液の毒を解く活性成分が含まれていることが分かりました。この成分は皮膚表面の血液循環を促進し、肌の状態を改善して、湿疹治療に効能があります。それ以外に、酸化作用や糖尿病を阻止する化合物も含まれています。

さらに、ごぼうの種から抗炎症の化合物が発見され、膵臓がんなどの腫瘍の成長に強力な抑制作用を発揮することがわかりました。他にも、ごぼうの葉っぱから、口腔内微生物の成長を抑制する活性成分が抽出されました。

2023年に発表された研究では、ごぼうに含まれている生物活性代謝物が、抗酸化、抗炎症、抗がん、抗肥満、抗糖尿病、抗アレルギー、抗ウィルス、及び胃や肝臓、神経を守る薬理作用を証明しました。

中国漢方医の古書には、食事にごぼうを取り入れることで、ダイエットとアンチエイジングの効果が期待できると記載されています。ごぼうは腸内をきれいにし、便秘の予防及び改善、体内老廃物や毒素を排出する効果はもちろん、腹回りを平らに保ち、腸内環境を整え、肌の健康を促進する役割があると記されています。

ごぼうには食物繊維が豊富に含まれ、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らします。腸の動きを促進し、体内の毒素を排出して、便秘を予防します。ごぼうは不溶性食物繊維の含有量が多いため、ゆっくり噛む必要があります。そのおかげで、自然に食事のペースが遅くなり、容易に満腹感が得られるのです。
 

<ごぼうの健康レシピ2選>
ダイエットやがんの痛みにも効果的

ごぼうの健康レシピを2つ紹介します。

 

レシピ1:ごぼうの和え物

(becky’s / shutterstock)

 

材料 

ごぼう1本、ゴマ30g、酢20g、塩5g、砂糖10g、ごま油10g

作り方

1.ごぼうを洗って皮をむき、細い千切りにする。

2.沸騰したお湯で1を茹で、取り出して水を通し、水気を切る。

3.ゴマと調味料を加えて混ぜ合わせ、完成です。

効果

『名医別録』には、ごぼうを長期間摂取することで体が軽くなり、老化に耐えやすくなると記載してあります。ごぼうを千切りにすることで、食べやすくなり、食事に取り入れることでダイエットとアンチエイジングの効果が期待できます。
 

レシピ2:五行野菜スープ

20年以上前、父の友人が、がんを患いとても苦しんでいました。お見舞いに行った時、彼は「痛くて死にそうだ」と嘆いていたので、私は五行野菜スープを勧めました。彼は飲んだ後、痛みが和らいだと喜んでいました。

・スープの材料は5種類の野菜

大根、大根の葉っぱ、ニンジン、シイタケ、ごぼうです。つまり白、青、赤、黒、黄の五つの色を用いています。中国漢方医の「五行説」によれば、五色は五臓に対応し、肺、肝臓、心臓、腎臓、脾臓を補益します。五行野菜スープをよく飲めば、鎮痛効果があり、腸を潤し便通を促すので便秘を解消します。美肌、アンチエイジング、免疫力の向上などにも効果があります。
 

喉の痛みとニキビを治す ごぼうの民間療法

●喉の痛みに、ごぼうジュースを

喉が痛くなりやすい子供には、ジューサーでごぼうを汁状にし、ゆっくり飲ますことで、喉の痛みが和らぎます。

● ニキビに効くお粥

脂漏性皮膚炎やニキビの発症は、生活習慣の乱れやストレスが原因です。症状は顔のTゾーン、鼻の両側および眉間によく現れ、皮膚が赤くなったり、かゆみが出たり、皮が剥けたりします。見た目にも悪影響を与えます。

中国漢方医の名著『本草綱目』には、簡単な解決策が紹介されています。それは「ごぼう粥」です。ごぼうを3本茹でてから、すりつぶし、お米と一緒にお粥にして食べることで、ニキビや脂漏性皮膚炎の改善が期待できます。

研究によると、ごぼうに含まれる高機能ポリフェノール「アルクチゲニン」には抗炎症作用があり、急性炎症や様々な慢性疾患の治療が非常に期待できます。また、代謝異常や中枢神経系の機能障害などの改善にも効果があります。
 

保管と食用の注意事項

胃腸機能が弱い人や胃腸が炎症を起こしている人は、ごぼうを大量に食べるこことは控えましょう。膨満感や下痢を引き起こします。また、歯の弱い高齢者や、歯がまだ生えていない子供もごぼうの摂取を避けましょう。

ごぼうを購入する際は、まとめ買いをやめましょう。長期間保存すると水分が失われます。使いきれない場合は、新聞紙やラップで包んで、涼しい場所に保存するか、湿らせた新聞紙で包んでから冷蔵庫保管をお勧めします。

胡乃文
台湾台北市にある上海同徳堂の伝統中国医学医師。カリフォルニア州サニーベールのNine Star University of Health sciencesの教授であり、また、スタンフォード研究所で生命科学の研究員としての経験を持つ。20年以上の臨床経験を通じて、14万人以上の患者を治療。中医学を用いて世界で5人目の悪性黒色腫患者を治癒させたことで名を馳せる。現在、登録者数70万人を超えるYouTubeの健康番組を主宰。また、オーストラリアや北米などで開催されている健康とウェルネスに関する人気のロードショーでも知られている。