中国人に対する中国共産党の洗脳は徐々に解かれている。イメージ写真(Lintao Zhang / Getty Images)

【単独インタビュー】前世と今生の狭間で 「小粉紅」はこうして反共主義者に変貌した

初夏の暖かい日差しがカフェの窓から差し込み、木製のテーブルに柔らかな光を投射する。カップの中のコーヒーをかき混ぜる顔さん(ヤンさん、中国人留学生)の目には、深い思索の色が宿っていた。中国本土の学校に通い、愛国主義を信奉していた彼は、今や全く異なる道を歩んでいる。その眼差しの奥には、語り尽くせない数々の物語が潜んでいた。

内心の変化は、一見何気ない出来事から始まることがある。一本の映画、ひとときの会話、そうした要素が彼の内面に深い影響を与えてきた。映画『大隻佬』(Running on Karma)で顔さんの心に生じた波紋は、やがて「小粉紅」[1]を反共主義者へと導くこととなった。真実に向き合うなかで、顔さんはどのような心の旅路を歩んだのか。一連の出来事を彼自身の言葉で語ってもらった。

[1] 中国共産党を熱心に支持し、インターネット上で中国の国家主義的な立場を強く擁護する人々

▶ 続きを読む
関連記事
中共の五中全会を前に、全国政協副主席の胡春華が重要会議を欠席し、失脚説や家族の連絡途絶説が浮上した。中共内部関係者は体調不良が理由だと説明する一方、政治的復権は困難との見方を示した
中国株の時価総額が5月のピークから約5か月で約376兆円減少し、弱気相場に入った。AI新モデルの発表も株価を支えられず、台湾・韓国株と明暗が分かれた。消費低迷や不動産不況、企業の収益力の弱さが重荷となっている
台湾で習近平を風刺したコメディアンが、汚物をかけられた後、車ではねられ負傷。検察は中国籍の人物が45万台湾ドルで襲撃を依頼した疑いを指摘し、台湾人5人を起訴。台湾当局は中国共産党による越境弾圧を強く非難
習近平はなぜ後継者を指名しないのか。毛沢東が指名した後継者たちの失脚は、権力継承の難しさを物語る。長期政権の先に待つのは安定か、それとも権力闘争か。ポスト習近平の中国を読み解く
アルジャジーラの潜入調査で、カンボジアの中国系実業家・鄧丕兵と中国共産党当局の接点が浮上した。鄧は中共軍に広州へ呼ばれ秘密協議を行ったと証言。中国共産党当局がカンボジア政府内部の人物に内通者になるよう持ちかけたとも語った