2024年4月15日、浙江省杭州市の交通警察によって電動バイクを押収された女性配達員が「抗議するため」橋から飛び降て自殺する事件が起きた。画像は橋から飛び降りて自殺した女性を映した動画よりスクリーンショットしたもの。

女性配達員がバイクの押収に抗議するため自殺=中国

今月15日、中国・浙江省杭州市の交通警察によって電動バイクを押収された女性配達員が「抗議するため」橋から飛び降て自殺する事件が起きた。

橋の上に押収されようとするバイクを置いたまま、橋から飛び降りて自殺した女性の遺体を映した動画が中国のSNSに投稿されている。血まみれになり地面に横たわる女性のそばには交通警察数人が取り囲んでいた。

(4月15日、浙江省杭州市で起きた女性配達員の自殺事件。)

経済の悪化や就職難のなか電動バイクを使って生計を立てている配達員にとってバイクを押収されることは一家の生計に響く、生死に関わるほどの一大事である。今回「死をもって反抗した」とされるこの女性の件をめぐり、ネット上では嘆きの声が広がっている。

近年、中国各地で電動バイクの取り締まり(押収や罰金)が盛んに行われているが、その背景にあるのが地方政府の財政難とされている。

華人圏のSNS上では、「もはや人間としての最低限の優しさすら持ち合わせていない」「人命を何とも思わないのか」などと指摘されるほどの、ほとんど「故意傷害レベル」と言えるような、中国の一部の警察による荒々しい公務執行ぶりに関する投稿が絶えない。

また、バイクを生業とする宅配ライダーが取り締まりを行う交通警察に跪いて「見逃してくれるよう」懇願する様子を捉えた動画もSNSに数多く出回っている。

罰金から得られる稼ぎを財政の支えにしようとする地方政府による執拗なバイク取り締まり、そして公権力による数々の「荒過ぎる検問のやり方」に対して、世間の批判が高まっている。

交通警察に跪いて「バイクの取り締まりを見逃してくれるよう」懇願する配達員。(SNSより)

 

 (交通警察による乱暴すぎるバイクの取り締まり)

 (交通警官が、走行中のバイクに警棒を叩きつけ、転倒させる場面)

 

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