1人の健常な人間をたった1時間で殺人鬼に豹変させる。あなたは信じますか?
原点――悪魔の帰還
時は遡り、1961年4月、第二次世界大戦中に600万人のユダヤ人虐殺主犯格の一人、オットー・アドルフ・アイヒマンがついに逮捕されました。
しかし、裁判に関する一連の記事を執筆した女性作家ハンナ・アーレントは、アイヒマンを「表現力と思考力が欠如している」平凡な普通の人として報告しました。これはいったいどういうことでしょうか?
エール大学の心理学者スタンリー・ミルグラムによると、何が善で何が悪かという判断を放棄して権威に従えば、最も平凡な人間でも、極端な悪に至ることがあるというのです。
しかしながら、単純な服従が、本当に大量虐殺のような極端な悪に、直接繋がるものなのでしょうか?これを研究するために、ミルグラムは、権威への服従に関する心理実験を考案しました。
心理学者ミルグラムの実験
研究チームは、さまざまな業界の20歳から50歳までの志願者と被験者を集め、本当の実験意図を伝えませんでした。実験はチームごとで行われ、実験者(指示を出す研究員)、「先生」役の志願者、そして「生徒」役の被験者の合計3名1組で構成されています。
ルールは簡単で、「先生」は「生徒」の記憶力をテストします。もし生徒が答えを間違えたら、罰として「電気ショック」がその生徒に与えられる仕組みです。
「先生」は指示に従い、「生徒」を「電気椅子」に縛り付けた後、「実験者」とともに「電気ショック発生装置」が設置された別の部屋にいきます。そこには30個のスイッチがあり、異なる電圧が記されています。最低電圧は15ボルト、最高電圧は450ボルトです。「実験者」は常に「先生」のそばにいて、実験の意図を隠して指示しながらサポートしていきます。
実験が始まると、「先生」と「生徒」はお互いの姿こそ見えませんが、声は聞こえます。生徒が間違った答えを出すと、「先生」は必要に応じて電気ショックのスイッチを押し、15ボルト、30ボルト、45ボルト……と電圧を上昇させてゆくのです。
「生徒」は、電圧があるレベルまで上がると、当然、悲鳴を上げたり、文句を言ったり、罵ったり、実験中止を求めたりしました。そして、徐々に質問に答えない、あるいは完全に沈黙するという反応を見せるようになります。
「先生」が生徒を心配して実験の中止を申し出ると、「実験者」は次の4つの言葉を順番に返していきます:
1.どうぞ続けてください
2.実験はあなたに続けてもらう必要がある
3.絶対に続けなければならない。
4.他に選択肢はない、続けなければならない。
4つの返答をすべて出し尽くし、それでも「先生」が実験の中止を主張するならば、実験はそこで終了となります。
最終的に何人の「先生」が、極めて危険な450ボルトを「生徒」に与えることになったのでしょうか?
続きはEPOCH TVで完全版をご覧ください。
https://www.epochtimes.jp/2023/06/156022.html
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。