経済産業省が3月19日に公表したニュースリリースでは、2024年度の国が電気代に上乗せしている「再生可能エネルギー賦課金」は「3.49円」と、過去最高金額になりました。これを受け、東京電力など大手電力10社は3月28日に、5月1日から家庭向け電気料金とガス料金を値上げすると発表しました。

資源・エネルギー庁によると、電気代・ガス代の負担軽減策「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は、2024年5月使用分で終了する方向で最終調整に入っています。6月以降は補助がなくなります。電気・ガス代の負担が一層大きくなります。

日本のほかに、アメリカ、台湾、さらには世界中の多くの地域で電気料金が上がっており、多くの人が水道光熱費を下げる効果的な方法を模索しています。知っている節電方法に加え、意外な方法も含めた11の効果的な節電方法があります。

電気代を減らす簡単な方法はたくさんあります。例えば、不要な電気を消すことから、経済的で効率的な洗濯方法を取り入れることまで様々です。この記事では、日本エネルギー庁やアメリカのテクノロジーニュースサイトCNETが提案する、家庭の電気製品を上手に使ってエネルギーコストを節約する最善の方法や最良の事例をご紹介します。

食器洗い機を使う

毎日の食器洗いは、家庭での日常的な作業です。食器洗い機は水と電気を多く使い、コストが高いと考えがちですが、実際にはそうではありません。食器洗い機と手洗いのどちらがよりエネルギー効率が良いかは、食器洗い機の年齢、使用する設定、手洗いの方法によって異なります。多くの研究によると、節約機能を最大限に活用した場合、食器洗い機は手洗いよりもエネルギーの節約になると一般的に言われています。
 
「食器洗い機は電気を使いますが、手洗いに比べてより多くのエネルギー（お湯を沸かすガス）、お金、水、時間を節約できます」とCNETは述べています。
 
エネルギー庁の家庭向け省エネ関連情報によると、給湯器（40℃）、使用水量65L/回（夏場は、給湯器を使用しない）の手洗いの場合と給水接続タイプで標準モードを利用した食器洗い乾燥機の場合を比較して、平均して年間36.65㎥の水と6470円の水道光熱費を節約できるとされています。さらに、食器洗い機を使用することで230時間の人的時間も節約できます。

手洗いの場合

年間でガス81.62㎥使用

年間で水道47.45㎥使用

食器洗い乾燥機の場合

年間で電気525.20kWh使用

年間で水道10.80㎥使用
 
家庭でのエネルギー節約に関するガイドを提供するSmarterHouseは、食器洗い機を使ってエネルギーを最大限に節約する方法を紹介しています。SmarterHouseによると、毎日2回から3回手洗いで食器を洗っている場合、実際に使用する水の量が想像以上に多くなります。

食後に食器を食器洗い機に入れて夜に一度洗う方が、食後に手洗いするよりも水とエネルギーの消費が少なくなります。少人数の家庭では、2食分以上の食器をまとめ洗いするのがおすすめです。

SmarterHouseはまた、食器洗い機の洗浄オプションに注意することを推奨しています。多くのモデルには「エコ」サイクル機能を備えています。これはエネルギーと水の消費を最小限に抑えることを目的としています。さらに、食器洗い機の水温を下げることでエネルギーを節約することもできます。

食器の乾燥

CNETによると、さらにエネルギーを節約するために、食器洗い機で食器を洗う際はヒートドライ（heat-dry）オプションを使用せず、代わりに風乾を利用するべきです。食器洗い機のドアを開けて食器を風乾させるか、食器洗い機に乾燥（air-dry）オプションがあれば、それを選択してください。
 
食器を乾燥することで、食器洗い機のエネルギー消費を15%から50%削減できます。

食器洗い機での食器の正しい配置

食器が正しく配置されていないと、時には皿やボウルがきれいに洗えないことがあります。食器洗い機を再起動してもう一度洗うと、エネルギーの節約にはなりません。だから、食器を正しく配置することが重要なのです。
 
例えば、皿は下のラックに、ボウルは上のラックに置き、カップは逆さまにしてください。鍋や他の大きなアイテムは別々に洗うべきです。

扇風機の使用

夏の暑い時は、扇風機をつけてください。アメリカ自然資源保護協会によると、扇風機を使用すると、部屋の温度が10度ファーレンハイト（10℉ ＝ 3.78℃）涼しく感じられ、中央空調の10％のエネルギーしか消費しません。

早めに火を消す

カリフォルニア州エネルギー委員会によると、食べ物を調理しているときは、完全にできあがるのを待ってから火を消す必要はありません。少し早めに電気コンロのスイッチを切り、余熱で火を通すことで、電力を節約できます。この方法はほとんどの料理に適用できますが、例外もあります。

オーブンの扉を閉める

焼き物をするとき、中がどの程度焼けたかを確認するためにオーブンの扉を開ける人もいますが、扉を開けるたびに内部の温度は25度ファーレンハイト下がります。扉を閉めると、オーブンは温度を回復するためにより多くの電力を消費します。節電のために、オーブンのガラス扉を通して中を見て、焼き加減をチェックしてください。
 
電子機器をスタンバイ状態にすると、24時間稼働させるよりも節約になりますが、それでもかなりの電力を消費します。
 
エネルギー庁のデータによると、待機状態の電子機器は電気代の5.5〜6％を占めます。
 
これらの「電力消費者」を制御する最良の方法の一つは、スマートスイッチを導入することです。
 
就寝時や外出時には、スイッチをオフにするか、スマートスイッチのアプリを使用して、これらの電力消費機器をオフにすることができます。

温度調節器の位置を確認する

家の中の温度調節器が正しい位置に設置されているかどうかを確認してください。
 
気流、直射日光、その他の要因が、空調や暖房が不要な時に作動する原因となることがあります。そのため、温度調節器を適切な場所に設置することが重要です。

CNETによると、スマート温度調節器をお持ちの場合、ドア、本棚、装飾品によってセンサーが遮られないようにすることが大切です。これにより、センサーが正常に機能します。さらに、デバイスがWi-Fiの範囲内にあることを確認し、アカウントとの接続を維持できるようにしてください。また、温度調節器を最適な位置に設置するために、専門家に相談することもできます。

自然乾燥を併用する

エネルギー庁によれば、自然乾燥8時間後、未乾燥のものを補助乾燥するのは乾燥機のみで乾燥させる場合より、年間で約電気394.57kWh、1万2230円を節約できます。

カリフォルニア州エネルギー委員会によると、乾燥機を清潔に保つことで、その効率を向上させることができます。衣類を乾燥させた後にフィルターを掃除するのは、乾燥機が過剰に働くのを防ぐ上で最も重要な事の一つです。

冷水で洗濯

CNETは、冷水で洗濯することを推奨しています。「消費者報告」によると、洗濯に使われる電力の90%がお湯を沸かすのに使用されています。
 
エネルギー節約連盟も、冷水で洗濯することで年間63ドル（約9531円）の電気代を節約できると述べています。ほとんどの洗剤は、冷水での洗濯を前提に設計されています。