2月15日、米国がミクロネシア連邦などの太平洋島しょ国と結ぶ自由連合盟約(COFA)に関連した予算の審議が米議会で滞っていることに、島しょ国の首脳らが相次いで懸念を表明している。写真はパラオのウィップス大統領。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで昨年12月撮影(2024 ロイター/Amr Alfiky)

太平洋島しょ国、米議会の予算停滞に懸念表明 中国の動きを警告

[ワシントン 15日 ロイター] – 米国がミクロネシア連邦などの太平洋島しょ国と結ぶ自由連合盟約(COFA)に関連した予算の審議が米議会で滞っていることに、島しょ国の首脳らが相次いで懸念を表明している。首脳らは、中国が積極的に太平洋での影響力を強めようとしていると警鐘を鳴らしている。

米国は昨年、ミクロネシア、マーシャル諸島共和国、パラオ共和国との間で20年間にわたる新たな資金提供プログラムに合意。米国が経済支援を供与する一方、島しょ国は軍事権を米国に委ねる取り決めとなっている。

COFAは超党派の議員から支持されている上、現時点で必要な追加資金は23億ドルと比較的少ないにもかかわらず、予算は数カ月経過後もまだ承認されていない。

米上院外交委員会の共和党筆頭委員であるリッシュ議員は24人の超党派議員から成るグループを率いて審議中の補正予算案にCOFAの予算を盛り込む修正案を提出したが、上院を通過して下院に送られた予算案に修正案は反映されていない。

議会筋によると、COFA関連の予算は3月の緊急予算案に盛り込むなど、他の方法を探る取り組みも進められているが、成功する保証はないという。

補正予算案の審議が難航しているのは、国際的な軍事、人道支援に関するいかなる法案にもメキシコ国境の治安対策を盛り込まなければならないと共和党が主張しているため。

一方でCOFAを締結した島しょ3カ国の首脳は再三、米議会の首脳に送った書簡で予算承認の必要性を強調。2月6日付の連名の書簡では、予算承認が遅れているため「国民の間に不安が広がっている」とともに「結果的に、太平洋において競合する政治勢力が経済的に付け入る望ましくない機会が生じている」と警告した。

パラオのウィップス大統領は2月9日付の書簡で、同国には中国の経済的影響を受け入れ、外交関係を結ぶ先を台湾から中国に切り替えたいと望む政治家がいると指摘。米予算の承認が遅れれば、そうした政治家や中国の術中にはまると訴えた。

マーシャル諸島のハイネ大統領も2月12日付と13日付の書簡で、同様の見解を伝えている。

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