「善」は、上部の“羊”と“言”の“口”から成り、シンプルに解釈すれば、「羊の言葉」となります。
古代中国では、羊はどの家庭にも欠かせない家畜でした。羊の性質はとても従順でおとなしく、人間からよく世話してもらっても、乱暴に扱われても、ただメェーと鳴くだけです。従って、羊はどんな状況に置かれても、柔和で、従順に振舞うことを象徴し、それが「善」となりました。
仏教を含む多くの宗教では、「慈悲心(善)」を持つことが大切だと教えています。それは、他人に対する思いやりであり、その苦しみを理解してあげることだとされています。また、更に寛容な心を持つ者は、全てにおいて自分を後に、他人を先に考え、ずば抜けた忍耐力を持ち合わせているものです。
「善」の反対は、「悪」です。「悪」は、中国語の“亜”(2番目、弱さなどの意味)と、“心”からなります。従って、「悪」は、弱い心、もしくは2番目の心となります。古代中国では、悪意は心の弱さから来ると信じられていました。
本当の「善」は、心の弱い人からは生まれません。どんな逆境にもめげず、堂々とした「善」を示せる人はつまり、真に強靭な心の持ち主といえるでしょう。
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