23年横浜のモータショーに展示された日産のEV「サクラ」(Photo by RICHARD A. BROOKS/AFP via Getty Images)

<寄稿>中国主導のEVシフトの限界が見えた 内燃機関の逆襲?

EV(電気自動車)は自動車産業の主役になるかーー。このような議論が最近盛んだ。それは中国の自動車産業とEV生産の急成長と共に語られる。私の個人的な意見だが、EVは自動車産業で重要な位置を占めるだろうが、すべてがそれに置き換わることはないだろう。内燃機関も燃料も進化しているためだ。

「EVの時代」と言われても、日本では実感しない人が多いかもしれない。日産のEV「SAKURA(サクラ)」などヒットするモデルも出ているが、生活の中でEVが身近になったと感じる人は、購入などをしない限り少ないだろう。外見上、既存のガソリン車とEVは大きく変わらない。

日本ではすでにEVの一種である電動と内燃機関を状況で使い分けるハイブリッド車(HV)が売れ、定着している。トヨタが1997年に初代「プリウス」を発売して以来、他メーカーも追随して、高級車から軽自動車まで多様な車種でHVが作られ、今では国内の新車販売の半分を占める。

▶ 続きを読む
関連記事
米露中首脳会談の背景やウクライナ和平の現実、そして身勝手なダブルスタンダードを続けるヨーロッパに対するトランプ政権の冷徹な現実主義を解説した論考
欧州で拡大する激しい暴動と、世界で加速する国境の形骸化。一見無関係に見える「街頭での暴力」と「グローバリズム」の裏に潜む計画的な破壊工作とは?ニュースの表面からは見えない社会危機の構造を解き明かす
中間選挙後のトランプ弾劾の可能性をニクソン辞任劇と比較。ベトナム敗退の歴史から台湾侵攻リスクを警告しつつ、レーガン流の強硬路線による抑止シナリオも対比して今後の米中関係と国際秩序の行方を占う
中国の貿易黒字は過去最高を更新する見通しだ。しかし、輸出好調の陰では内需との不均衡が深まり、貿易摩擦も激化。金融支援に潜む不良債権リスクや輸出企業の採算悪化など、巨額黒字が抱える三つの代償を読み解く
気候訴訟を起こす牧場主らに対し、現代文明と農業を支える石油の恩恵を自覚すべきだと説く論考。人間を地球の害悪とみなす風潮や過度な脱炭素論に異を唱え、環境再生の主体としての農と人の役割を問い直す