日本人医師が独自の「糖質制限食」を考案、3か月で17kg減量(1)

日本の精神科医、西脇俊二医師が独自の「糖質制限ダイエット」を考案しました。 自ら実践した結果、3か月で17kgの減量に成功しました。 高血圧、糖尿病、肥満、動脈硬化などの病気は、糖質制限食によって治癒または改善されると言います。

彼は当初、がんや糖尿病とうつ病の関係を解明したいと考え、開業医としての実験精神から、自ら糖質制限生活を体験することにしました。 その結果、1か月で5kg、2か月目でさらに6kg、3か月後にはなんと17kgの減量に成功しました。 その後、長年体重は戻らず、健康そのものです。

いわゆる糖質オフ(炭水化物)、つまり1日に摂取する糖質は100g以下とし、食事の量を減らす必要はなく、簡単に減量効果を得ることができるのです。

なぜ糖質カットが必要なのか?

西脇俊二氏は著書『体が変わる3日間糖質オフダイエット』の中で、体にエネルギーを供給するのは食べ物に含まれる糖分ではなく、糖分を分解して得られるブドウ糖であると指摘しています。しかし、実は人間の体はブドウ糖を自分で作り出すことができるため、糖分は体にとって必要なものではありません。

また、心の働きを鈍らせ、不安を誘発し、不安定な精神状態に導くなど、体に悪影響をもたらすほか、体内でがん細胞の温床を形成し、がんになる確率を高めてしまいます。 体内の糖分が多ければ多いほど、がん細胞は生き残りやすくなるのですね。

アメリカのハーバード大学が17万5798人の女性を対象に26年間追跡調査した研究によると、甘い飲み物の摂取は女性の乳がんリスクの上昇と関連していることがわかりました。 別の研究では、ショ糖、甘いパンやビスケットの消費量が多いほど、子宮内膜がんのリスクが高まることがわかったのです。

砂糖の摂取はまた、糖尿病、高血圧、動脈硬化、アレルギーなど、さまざまな病気を誘発する可能性が高くなるのです。

2022年、動物実験によるある研究が有名な学術誌『Cell』に掲載さ れました。 研究者らは、Th17細胞は腸上皮の脂質吸収を抑制し、代謝性疾患を予防できること、一方、食餌性(食べ物飲み物)の砂糖はマウスの腸内細菌叢のバランスを崩し、Th17細胞の減少を招き、代謝性疾患のリスクを高めることを発見しました。

さらに、砂糖は体の老化を促進するのですね。 砂糖の摂取量が多い人は、少ない人に比べて認知症になりやすかったという分析結果もあります。 1209人の高齢者を対象としたマレーシアの研究では、砂糖入り飲料、ケーキ、デザートなどの砂糖摂取が認知能力を著しく低下させることがわかったのです。

さらに西脇俊二氏は、砂糖が引き起こす病気はこれだけではないと説明します。 血糖値が急激に上昇すると、血液中の細菌も激増し、血管の内壁にダメージを与えます。 このとき血管壁にコレステロールが沈着し、脳卒中や心筋梗塞などの原因となる動脈硬化の始まりとなるのですね。

糖尿病の改善

西脇俊二氏は、20年来糖尿病を患い、薬もインスリンもやめてしまった患者を治療しました。 彼は、患者の膵臓は機能を失っており、これ以上刺激を与えても負担を増やすだけで、意味がないと考えました。

食事の面では、血糖値を上げない肉、魚介類、卵などの動物性たんぱく質と、糖質の少ない豆腐を摂り、炭水化物を控えるようアドバイスしました。 余分な糖分を体外に排出するため、基礎代謝を上げるだけでなく、筋肉量を増やすためのトレーニングも行いました。

1か月後に再来院した患者は、スリムで健康的になり、血糖値も正常範囲に戻っていました。 現在、この患者は普通の人と同じように元気です。

 

適度な運動と炭水化物の禁止は、糖尿病と肥満の治療に役立つ (Ushico / PIXTA)

(つづく)
 

Ellen Wan
2007年から大紀元日本版に勤務しており、時事から健康分野まで幅広く携わっている。現在、記者として、新型コロナウイルスやコロナワクチン、コロナ後遺症、栄養学、慢性疾患、生活習慣病などを執筆。