盲視
「盲視」が最初に発見されたのはヘレンという名前のサルからです。ヘレンはイギリスの神経心理学者ローレンス・ワイスクランツ氏の研究室に住んでいました。1965年、ヘレンは大脳皮質から視神経を切除され、それ以来失明してしまったのです。
しかし、2年後、研究室の大学院生であったニコラス・ハンフリー氏は、動いている物体がヘレンの目の前に現れると、彼の目が反応して、手を伸ばして掴もうとすることに気づいたのです。
そこでハンフリー氏は、ヘレンのために障害物実験を考案し、それをドキュメンタリー用に撮影して公開しました。しかし、当時は誰も本気で信じませんでした。しかし、ハンフリー氏の師匠であったワイスクランツ氏は信じました。脳神経が損傷すると再生できないので、ヘレンの視力が回復していないことを彼はよく知っていました。
その後、ワイスクランツ氏はこれに基づいて人体の研究を行い、「盲視」という現象が人間にも存在することを発見しました。1974年、ワイスクランツ氏は実験結果を発表し、実験の対象となったのは、腫瘍のために脳の視覚野を切除しなければならなかった患者で、ヘレンと同じように何も見えない人です。
「推測」ゲームという実験の中で、彼の推測率は驚くほど高いものでした。例えば、赤か緑か当てるゲームで、赤は70%、緑は100%正解でした。どのように推測したかを尋ねられたとき、彼は躊躇して、すべて感覚に基づいて答えたと言いました。
ワイスクランツ氏の論文が発表された後、「盲視」という新しい概念が科学界の注目を集めました。その後、多くの科学者が実験を繰り返し、目は無傷であっても脳の視覚野が損傷している多くの視覚障害者が、この「盲視」能力を持っていることを発見しました。この能力がどのようにして生じたのかについては、これまでのところ、科学界はまだ満足のいく答えを見つけていません。
意識はどこから来ているのか?
この説明のつかない現象をきっかけに、科学界では人間の意識はどこに存在するのか、という議論が深まりました。一般に、私たちがやりたいことや食べたいものなど、すべて意識の命令のもとで行われています。では、意識はどこから来ているのでしょうか。答えは大脳皮質です。大脳皮質は人体のCPUのようなもので、受け取った情報を処理し、関連する指示を体に与えていきます。
通常、大脳皮質の視覚部分が損傷すると、脳は目から受け取った情報を処理できなくなり、体に指示を与えることができなくなります。しかし、実際はそうではないことがこの「盲視」によって証明されました。
『ヴァネッサへの手紙』の著者であり、科学者でもあるジェレミー・ヘイワード氏は、人間は大脳皮質を介して指示をもらって行動する以外に、無意識の状態で何かをすることもあると考えています。例えば、集中して本を読んで物語にのめり込んでいると、手に持ったジュースを無意識に飲んでしまうことがあります。このときの、飲むという行為は、完全に無意識による行動です。
もうひとつ例を挙げましょう。誰かに見られていると感じた瞬間、振り返ると十中八九、誰かと目が合うという経験を、皆さんもお持ちでしょう。
他にもさまざまな例があります。潜在意識が何かを考え、無意識のうちに何かを行い、偶然に浮かび上がったインスピレーション、未来を予測する夢など、いずれも科学の世界では未だ解決されないミステリーです。
しかし、法輪功(ファールンゴン)の創始者、李洪志先生の著書『轉法輪』には、これらの疑問に対する非常に明確な答えが書かれているのです。例えば、夢について、このように書かれています。「医学ではわれわれの大脳皮質に変化が起きていると説明しています。それはこの物質形式に現われた反応ですが、本当は他の空間の信息の作用を受けたのです」と。
もし興味があれば、『轉法輪』という本を読んでみてください。多くの未解決の謎に対する答えが見つかると思います。
詳しくはEPOCH TVをご覧ください。
https://www.epochtimes.jp/2023/03/139818.html
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