核兵器廃絶を唱えても核保有国は核兵器を手放そうとしないのが現実だ。写真は広島で行われた式典の様子 (Photo by STR/JIJI Press/AFP via Getty Images)

【寄稿】非現実的な「核兵器廃止論」はなぜ繰り返されるのか

国際条約では、その条約に署名し批准した国にだけ、その条約が適用される。核兵器禁止条約に核保有国が加盟する可能性は皆無であり、従って核兵器禁止条約で核兵器が廃絶する可能性はゼロである。

8月6日、松井一美広島市長は平和宣言で次のように述べた。「核による威嚇を行う為政者がいるという現実を踏まえるならば、世界中の指導者は、核抑止論は破綻しているという現実を直視し私たちを厳しい現実から理想へと導くための具体的な取り組みを早急に始める必要があるのではないでしょうか」

平和宣言のこの部分は、テレビのニュースなどで繰り返し放映された。新聞の多くも、肯定的に報道しているから、この発言はいわば市民権を得たかのように思われるであろう。

▶ 続きを読む
関連記事
米議会で提出された、チベットでのジェノサイド認定を求める超党派法案と、トランプ氏によるジミー・ライ救出への意欲を報じる。中国の弾圧に対し、米国が人権と経済の両面からどう対峙すべきかを問う解説記事
解説 定期的に、大衆は新たな微生物の脅威に直面する。そのパターンは常に一定だ。悲劇的な死や集団感染が発生すると […]
ヴィクター・デイヴィス・ハンソン氏がイラン情勢の終焉を鋭く分析。米国の軍事的優位と経済封鎖に対し、窮地のイランが取る生存戦略とは。中間選挙を控えたトランプ政権の思惑と、激化する膠着状態の結末を予測する
中国が進める「軍民融合」の実態を解説。商船をミサイル艦へ転換する「中大79」や、戦車を輸送する大型フェリー、さらに「海上民兵」という民間を装う準軍事組織の脅威など、偽装される海上戦略の深層に迫る
世界保健機関(WHO)のパンデミック対策の目玉として鳴り物入りで進められてきた「パンデミック協定」の最終合意が、またも合意不達のまま延期となった。この事は何を意味するのか