【寄稿】NATO首脳会議は成功だったのか?
12日、NATO首脳会議の開かれたリトアニアで、米国のバイデン大統領が岸田総理を公式の場でベタ褒めして話題になった。舞台でバイデン大統領が突然「話すつもりではなかったが言わせてほしい」と言い出し、岸田総理を指して「この男が立ち上がりウクライナを支援すると思った人は欧州や北米ではほとんどいなかった」と述べた。
NATO首脳会議を補完する形で開かれたG7首脳会議で共同宣言を発表した記者会見場での出来事だ。日本は今年G7会合の議長国であり、岸田総理はこの会議で議長を務めた。共同宣言ではウクライナへの支援を謳っているから、バイデン大統領は共同宣言を取りまとめた岸田総理に、「ご苦労様」とねぎらいの気持ちを表明したものと解釈できよう。
だが切り出しの言葉には明らかに棘(とげ)があるだろう。岸田総理が「立ち上がりウクライナを支援すると」自分を含めて誰も期待していなかったのに、彼は予想外に健闘してG7議長としてウクライナへの支援を見事取りまとめた、と褒めているのである。
関連記事
ノーベル経済学賞は、理論の正しさを保証するものではない。景気変動を抑える政策に目を奪われるあまり、その根本原因を見失っていないか。筆者はオーストリア学派の視点から、金融緩和が生むゆがみと経済学の本質を問い直す
欧州で拡大する激しい暴動と、世界で加速する国境の形骸化。一見無関係に見える「街頭での暴力」と「グローバリズム」の裏に潜む計画的な破壊工作とは?ニュースの表面からは見えない社会危機の構造を解き明かす
中間選挙後のトランプ弾劾の可能性をニクソン辞任劇と比較。ベトナム敗退の歴史から台湾侵攻リスクを警告しつつ、レーガン流の強硬路線による抑止シナリオも対比して今後の米中関係と国際秩序の行方を占う
ルビオ米国務長官が中央アジアを訪問し、重要鉱物や投資を軸に米国の関与を強化。中共が進める「一帯一路」への影響と、地域で広がる米中競争を読み解く
中国の貿易黒字は過去最高を更新する見通しだ。しかし、輸出好調の陰では内需との不均衡が深まり、貿易摩擦も激化。金融支援に潜む不良債権リスクや輸出企業の採算悪化など、巨額黒字が抱える三つの代償を読み解く