睡眠不足が認知症や肥満を招く 睡眠障害を解決する5つのヒント(1)

長時間、あるいは2~3時間ベッドに横たわっていても眠れない、そんな状況に陥ったことはないでしょうか。眠れない理由を考えれば考えるほど、焦燥感に駆られ、眠りにつくのが難しくなります。このようなことがたまに起こるだけでなく、週に3日は寝付けない、あるいは1か月も不眠が続くようなら、睡眠障害の可能性があり、特に注意が必要です。

睡眠障害はますます一般的な症状になってきています。米国国立心肺血液研究所(NHLBI)の推計によると、米国では5千から7千万人が慢性的または持続的な睡眠障害に悩まされているといいます。漢方薬や食事療法、簡単な生活調整によって、睡眠を改善し、生活の質を高めることができます。

4つのタイプの睡眠障害

臨床的な睡眠障害には4つの一般的なタイプがあります。最も一般的な入眠障害に加え、睡眠中に目が覚めてしまう、浅い眠りが長く続く、早く目が覚めてしまうなどのタイプがあります。

1.入眠障害

入眠できないことは、睡眠障害を持つ人にとって最も一般的な問題の一つです。ベッドに横になって目を閉じてから、子供や青少年は30分以内、大人は1時間以内に眠りにつけない場合、当てはまります。

2.睡眠中何度も目が覚める

このタイプの人は、夜中に2回以上目が覚めることが多く、そのたび、再び眠りにつくまでに30分以上かかります。

3.慢性過眠症

睡眠障害のある人の中には、寝つきが悪いわけではないが、深い眠りの時間が短く、比較的浅い眠りの状態が長く続く、つまり眠りの質があまりよくない人がいます。これは長期睡眠障害に属する人です。このような患者は7、8時間眠っていても、朝起きると寝不足を感じ、疲れやすいです。

アレルギー性鼻炎、鼻づまり、厚い鼻ポリープがある人は、口呼吸になりやすく特に口が乾燥しやすいので、眠りが浅くなる傾向があります。睡眠時無呼吸症候群の場合、必ずしも鼻づまりがあるわけではありませんが、夜中に口呼吸をします。夜中に口が乾きやすく、水を飲みたくて目が覚めたり、朝起きた後、口が非常に乾きます。また、夜に長い睡眠をとった後でも、十分に寝ていないと感じることがあります。

鼻づまりや鼻ポリープは、漢方医の診察を受けて、鼻通穴、素髎(そりょう)穴、印堂穴、上星穴、百会穴などのツボに鍼灸をすると鼻がすっきりします。また、漢方薬を少し飲めば、症状が早く改善できるだけでなく、日中の眠気などの副作用も防げます。

漢方医は、人体には「経絡」というエネルギーの通り道があり、気と血を全身に運ぶ役割を担っており、それらが人体を構成し、生命活動を維持する基本物質であることを発見しました。12の内臓に対応する12の主要な経絡があり、内臓は経絡を通して体表とつながっていますので、経絡上のいくつかのツボには経穴(ツボ)と呼ばれる特殊な作用があります。鍼や推拿などで対応する経穴を刺激することで、対応する内臓の病気を治療できます。

4. 早起きしすぎる

朝、いつもより1時間以上早く目が覚め、夜の睡眠時間が5時間未満というタイプ。

1日の適切な睡眠時間は6.5~8時間で、長時間寝すぎると疲れが取れにくくなるので注意が必要です。中国医学の専門家によると、「長時間の横臥は気を害する」、つまり長時間ベッドに横たわると体内の気血の循環が妨げられるといいます。したがって、たとえ具合が悪くても、ずっとベッドにいるのではなく、適度に起き上がり、何らかの活動が必要であり、その方がかえって健康に良いのです。

上記の4つのタイプとは別に、「多夢型」と呼ばれる睡眠障害もあり、寝ているときに夢をたくさん見たり、疲れを感じたりするタイプです。漢方医は黄連という漢方薬でこのタイプの睡眠障害を治療することができます。また、労宮穴というツボに鍼を打つこともでき、かなり痛いですが、患者はその夜から睡眠の質がかなり改善され、夢を見なくなることもあります。
 

(つづく)

劉淇晴
呉国斌
心医堂漢方医院院長