暴力による抑圧は一時的に危機を抑えることができても、危機を引き起こす大量の不良債権を解消することはできない。中共は銀行の不良債権を剥がすことで、その負担を一般市民に転嫁した(Ed Jones/AFP/Getty Images)

中国経済の疑問 金融崩壊は一体いつ訪れるのか(2)

中国経済の疑問 金融崩壊は一体いつ訪れるのか(1)

しかし、暴力による抑圧は一時的に危機を抑えることができても、危機を引き起こす大量の不良債権を解消することはできない。中共は銀行の不良債権を剥がすことで、その負担を一般市民に転嫁した。

 

経済学者の陳志武氏は、中国政府が無限の権力を持ち、自らが適切と判断する方法で資源を誘導し、苦痛を分配し、危機を回避していると述べている。それは一般市民にとって理解するのは難しい。

 

具体的な例として説明する。1999~2000年にかけて、中共の四大銀行(中国銀行、工商銀行、農業銀行、建設銀行)は、膨大な数の不良債権を抱え、倒産の危機に瀕していた。

 

それに対し、当時の江沢民政権は四大資産管理会社(華融、長城、東方、信達)を設立するという策を考えた。

財政部から四大会社に各々100億元(約1989億円)の登録資本金を供給し、中央銀行から5700億元(約11兆3373億円)の再貸付を行った。四大会社は銀行に8200億元(約16兆3098億円)の債券を発行した。これにより、四大会社は合計で1.4兆元(約27兆846億円)以上の人民元を取得し、これを用いて1.4兆元の不良債権を買い取った。

 

財政部や中央銀行の資金は、税金や紙幣の発行によって調達された。つまり、大衆から強制的に資金を集めたということだ。四大会社が不良債権を取得したが、それらの債権は基本的に回収不可能で、その後、これらの不良債権は再度財政部に引き継がれ、政府の負債となり、最終的には全国民がその負担を背負うことになった。

 

しかしながら、1.4兆元の不良債権を引き受けた後も、国有四大銀行の不良債権は依然として高水準にあった。2002年末の不良債権比率は26.12%で、各銀行では、工商銀行が26.01%、農業銀行が36.65%、中国銀行が25.56%、建設銀行が15.28%であった。同時に、資本金の不足も深刻であった。

 

▶ 続きを読む
関連記事
米中首脳が4月に会談を予定する中、米国駐中国大使のデービッド・パデュー氏は、中国共産党(中共)が輸出許可と引き換えに外資系企業に機微な商業情報の提供を求めていると公に批判した
住宅、雇用、消費という「三重の重圧」に押しつぶされ、多くの上海市民が苦境にあえいでいる
中国がASMLの元技術者を雇いEUV露光装置を模倣したが、核心となる独ツァイスの光学技術を再現できず、ハイエンドチップ製造は困難との見方がある。独自開発を誇示する中国と冷ややかな欧州メディアの対立を追う
中共当局が発表した統計によると、青年層の失業率が低下したとされている。しかし、市民の証言によると、実際の失業率は政府発表の水準をはるかに上回っているという
社会保障制度の拡充は、中国の消費を動かす鍵となるか? おそらくそうだが、それは容易な道ではない