見知らぬ人【ものがたり】
仕事で出張をする度に、「社会の治安がよくないから泥棒などに気をつけてね」と妻はいつも私に言います。
出張に出たある日の夜、私は地方のある宿泊所(一部屋に大人数が寝泊りする安い宿)に入りました。案内された部屋には、私の前にすでに1人の見知らぬ客がいました。
その客は体格がよく、テレビのサッカー中継を真剣に見ていました。彼と挨拶を交わし背広を脱ぎ、私はドアに近いベッドで横になって本を読み始めました。
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