2023年6月、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議での講演に備える中国の李尚福国務委員兼国防相(Photo by ROSLAN RAHMAN/AFP via Getty Images)

対話を遅延させる中国 米中関係改善に関する曖昧かつ矛盾した発言

中国が最近発した米中関係に関する曖昧かつ矛盾した発言に困惑を隠せない多くの国家が、中国政府の宣伝工作の背後にある動機に疑問を呈した。

この一例として、今年新たに中国国防相(国防部部長)に就任した李尚福上将が、2023年6月上旬にシンガポールで開催された国際戦略研究所(IISS)主催の権威あるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)の講演で、平和を主張しながらも武力行使を放棄しない方針を重ねて示したことが挙げられる。

こうした相反した発言を分析した防衛アナリストの多くは、これを意図的な欺瞞に満ちた言動、あるいは米中関係改善に向けた米国の取り組みの阻止を狙う情報工作であると結論付けている。

▶ 続きを読む
関連記事
中国軍高官・張又侠の拘束をめぐり、状況や背景について複数の未確認情報が飛び交い、真相は不透明なままである。 習近平体制の権力再編との見方も出る中、公式発表はなく「政変」説まで広がっている
中国共産党中央軍事委員会の権力交代をめぐり、旧正月前後にかけて例年とは異なった雰囲気を見せている。複数の情報筋が明らかにしたところによると、今年の旧正月期間中、軍内の各級将官の多くが帰省を見送り、北京に滞在する将官らも外出を控えるなど、全体として慎重な動きが目立ったという
日本沖縄政策研究フォーラム理事長・仲村覚氏が講演。中国共産党が沖縄で仕掛ける「認知戦」や「琉球植民地ナラティブ」の実態を解き歴史的真実を解説。日本を守り抜く覚悟を説いた
12日の中国外交部会見で示された、台湾有事を「内政」とする論理が日本や沖縄にもたらす法的リスクを分析。中国共産党の法律戦・心理戦に対抗し、日本が発信すべき戦略的ナラティブとは何か?
中国軍副主席・張又侠の失脚後、軍報が過去の反逆者・張国燾を異例の頻度で批判。これは張又侠が軍を私物化し「別の党中央」を企てたことへの暗示か。習近平一強体制における軍内部の激しい権力闘争の深層に迫る