ダン・ニューハウス下院議員 (Chip Somodevilla/Getty Images)

中国共産党、米国を反体制派の「狩猟場」に…共和党議員ら行動を呼びかける

中国共産党の法輪功弾圧に加担した工作員の男2人が米国で起訴された。ダン・ニューハウス下院議員は、中国共産党が米国を反体制派の「狩猟場」しようとしていると指摘した。他の共和党議員もこの越境弾圧に対処する法整備を急ぐよう訴えている。

米連邦検察局は5月26日、法輪功学習者が運営・維持する団体の免税資格を剥奪しようと国税庁職員(特別捜査官)に賄賂を渡したとして中国出身の男性2人を起訴した。両被告は、陰謀、贈収賄、マネーロンダリングの罪に問われている。

「中国共産党がいかに我々の主権を弱体化させ、米国内ですべての反対意見を封じ込めるために全力を尽くしている」とニューハウス氏はエポックタイムズ動画配信サイト「EpochTV」で述べた。

「つまり外国政府が、ここ米国の地で(中国共産党が)脅威と見なした人々に対して犯罪を犯しているのだ」

起訴状によると、工作員のジョン・チェン(70)とリン・フェン(43)は1月から5月にかけて中国官僚の指示のもと米国内で影響力工作を行なっていた。この官僚は法輪功弾圧を主導してきた超法規機関「610弁公室」で役職に就いている人物の可能性が高い。

米国は「迫害からの避難場所であるべきで、権威主義的な政府の狩猟場になることは容認しない」とニューハウス氏は付け加えた。

610弁公室

法輪功は「真・善・忍」の理念に基づき気功動作や道徳的な教えを行う精神修養法。しかしその人気を脅威とみなした当時の江沢民主席が1999年に迫害政策を開始した。法輪大法情報センターによると、何千人もの学習者が拘留中の拷問や虐待で命を落としている。中国本土における第三者機関等の実態調査はなく、被害状況は把握されていない。

1999年に法輪功を弾圧することを目的とした「610弁公室」が創設された。エポックタイムズが入手した内部文書によると、これまで単独の権力機関として運営されてきた610弁公室の独立性が廃止され、2018年に「党中央政法委員会」(政法委)と公安部傘下に入ったとされる。

バイデン政権は2021年5月、信仰を理由に法輪功学習者を恣意的に拘束したとして、610弁公室の元主任・余輝氏とその親族に制裁を科した。

また、先月には米国で違法な出先機関「海外警察署」を運営していた疑いで中国系米国人の男2人が逮捕されるなど、中国共産党の浸透工作がますます明るみになってきた。2人は法輪功学習者も標的にしていたという。

こうした動きが続くなか議会議員や多くの米国民は「中国共産党の正体を見抜ける」ようになってきているとニューハウス氏は言う。

「司法省とFBIがこの件に関して責任を追及している。米国民や議会議員も知らないようなことが、他に起こっている可能性もある。だから、私たちは警戒しなければならない」

「中国共産党は手段を選ばない」

今回の贈収賄疑惑事件を受けてマルコ・ルビオ上院議員もエポックタイムズに声明を寄せ、中国共産党政権が米国内でも反体制派を執拗に狙っていることが示されたと述べた。

「中国の大量虐殺政権は、ウイグル人、チベット人、法輪功学習者、キリスト教徒、亡命している香港人への嫌がらせや脅迫を、米国内であっても手段を選ばずに行なっている」

2023年3月8日、ワシントンで演説するマルコ・ルビオ上院議員 (Mandel Ngan/AFP via Getty Images)

また、中国共産党による越境弾圧が多数報告されていることを指摘し、議会は同氏が3月に提出した超党派法案S.831を早急に可決し「脅威に対処しなければならない」と述べた。

同法案は「外国政府や個人が国境を越えて人を追い詰め、脅迫や暴行」を行った場合に責任を問う新たな外交政策を設ける。

さらに、国際的な弾圧を報告する専用の情報提供窓口を設置することを国土安全保障省と司法省に求めるほか、米国の外交官や国内の連邦職員は越境弾圧を特定するための研修を受けることが義務付けられる。

関連記事
トランプ氏は、自身がイランに暗殺された場合、報復としてイランをかつてない規模で爆撃するよう指示したと明かした。米当局も、イランによる同氏への脅威を長年監視していることを認め、緊迫した情勢が続いている
米上院商務委員会は7月15日、中国と関連するコネクテッドカー(通信接続機能を持つ自動車)、ソフトウェア、ハードウェアの米国市場への流入に対する規制を強化する超党派法案を採決する見通しである。
トランプ大統領は7月8日、アンカラで開催されたNATO首脳会議において、共産主義が米国内および世界中で根を広げつつあると改めて警告した
6月中旬以降、在中国米国大使館は1か月足らずの間に10件の注意喚起を相次いで発表した。いずれも中国本土にいる米国市民が直面するリスクについて警告しており、注目を集めている。
米連邦最高裁が出生市民権を維持する判断を示す中、米国では、中共高官の家族が渡米して出産し、子どもに米国籍を取得させる動きへの警戒が強まっている。専門家は「中国共産党の超限戦は手段を選ばない。出生市民権はまさにその一つである」と指摘