犬の飼い主は、ペットの子犬がよく首を傾げて、特にかわいらしく見えることに気づくかもしれません。 これが何を意味するのかご存知でしょうか？

2021年に「Animal Cognition」誌に掲載された研究で、ハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学の動物行動学者アンドレア・ソンメーゼ（Andrea Sommese）氏らは、子犬が首を傾げる理由について初めて科学的な調査を行いました。

研究者たちは、世界中から集めた短い動画を分析しました。動画では、子犬の飼い主がさまざまなおもちゃに名前をにつけ、子犬にそれを取ってくるように頼んでいました。3ヶ月の訓練期間で10種類以上のおもちゃの名前を覚えた7匹の賢い子犬もいました。

その結果、飼い主がおもちゃの名前を言って子犬に取ってもらうと、賢い子犬は43%の確立で首を傾げ、他の子犬はわずか2%だったことが分かりました。

ソンメーゼ氏は、賢い子犬だけが首を傾げるのではなく、普通の子犬も同じだと言います。ただし、この研究の特定のケースでは、飼い主がおもちゃの名前を言った時に、賢い子犬だけが顕著に首を傾げていました。

この研究から、子犬が首を傾げるのは、子犬が重要と認識する音と関連していることが示されました。

ソンメーゼ氏は、「子犬は自分にとって非常に関係のあることを聞いたときだけ、首を傾げるようです」と言っています。この行動は聴覚と強く関連しており、人間と同じように、耳を澄ませようとして首を傾げたり、あるいは少し混乱している時にそうすることがあるようです。

さらに、研究者たちは24ヶ月のテスト期間中、賢い子犬が同じ方向に首を傾げることに気づきました。左右どちらに傾けるかは子犬によって異なっていました。

人間に利き手があるように、子犬にも好みの側があります。物をつかむ前足、しっぽを振る方向、さらには匂いを嗅ぐための鼻孔までもそういう傾向があります。

この研究には参加していないアメリカのオレゴン州立大学の研究員モニーク・ウデル（Monique Udell）氏は、ライブサイエンス（Live Science）に対して、「このような研究は非常に重要であり、私たちが犬とコミュニケーションする際のボディランゲージについて、学ぶべきことが多くあることを示している」と語っています。

つまり、子犬が首を傾げるのは可愛く見せるためではなく、特定の音に注目していることを示しています。これは、私たち人間が犬とのコミュニケーションを深めるために理解すべき重要なポイントであり、彼らの行動に関する新たな知識を提供してくれます。