1月9日、英ヴァージン・グループの創業者リチャード・ブランソン氏が出資する宇宙開発企業ヴァージン・オービットは、英イングランド南西部のニューキーで人工衛星の打ち上げを行ったが、軌道に乗らなかった。写真は飛行機の羽に着いたロケット「ランチャーワン」。イギリスのニューキーで8日撮影(2023年 ロイター/Henry Nicholls)

ヴァージン・オービット、英国からの衛星打ち上げ失敗 軌道乗らず

[ニューキー(英イングランド) 9日 ロイター] – 英ヴァージン・グループの創業者リチャード・ブランソン氏が出資する宇宙開発企業ヴァージン・オービットは9日、英イングランド南西部のニューキーで人工衛星の打ち上げを行ったが、軌道に乗らなかった。欧州の国として初めて人工衛星発射を成功させる英国の試みが失敗に終わった格好だ。

ヴァージン・オービットは航空機を用いて空中から人工衛星搭載ロケットを発射する「水平型」と呼ばれる手法で打ち上げを実施。当初ツイッターにロケット「ランチャーワン」が地球周回軌道に到達したと投稿したが、その後この投稿を削除した。「異常が生じたもようで、軌道に到達しなかった。情報を精査している」という。

欧州にとっては昨年12月の小型ロケット「ベガC」に続く打ち上げ失敗で、痛手が深まった形。欧州は新型ロケット「アリアン6」の打ち上げが遅れ、ウクライナ戦争によってロシアの宇宙船ソユーズが利用できなくなるなど、この1年間に宇宙開発の取り組みが次々と後退した。

ヴァージン・オービットは米国以外の拠点として初めて打ち上げを行い、9個の小型衛星を地球低軌道に配置する計画だった。同社は2020年に初めて打ち上げを実施。これまでに4回成功しており、失敗は2度目。

打ち上げを見守っていた数千人の観衆は航空機が離陸し、ロケットの発射が発表されると大歓声を上げた。しかしその後失敗が伝わると静かに退散した。

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