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4. 虫歯予防、歯の健康
医学雑誌『栄養と健康』(Nutrition and Health)に掲載された20の研究のレビューで、ブドウ種子エキスに、独自のむし歯予防効果があることが示されました。ブドウ種子エキスは、歯の表面の歯垢などの生成を抑制し、虫歯になる前に歯のエナメル質を修復するのを促進することが判明しました。
ブドウ種子エキスの抗菌作用、抗酸化作用、抗炎症作用は、口腔内の健康促進や歯周病の管理に理想的なものです。また、ブドウ種子エキスゲルは、2021年にインドとイタリアの研究者達が『生体調節物質とスタビライザー雑誌』(Journal of Biological Regulators and Homeostatic Agents)に慢性歯周炎患者の歯肉と歯垢の指数を改善したと示しています。
5. インスリンの抵抗性を改善し、糖尿病を緩和する
ブドウ種子エキスは、強い抗炎症作用と抗酸化作用を持ち、インスリンの抵抗性を改善するなど、糖尿病に対していくつかの有益な効果が期待されています。『糖尿病 メタボリック症候群』(Diabetes Metab Syndrome)誌によると、メタボリック症候群の青年を対象に、ブドウ種子エキスを8週間(1日100mg)摂取させたところ、インスリン値およびインスリン抵抗性が改善されました。
また、ブドウ種子エキスポリフェノールは、神経調節因子と神経シグナリング経路に影響を与え、インスリンに有益な効果をもたらすと考えられています。2020年の『分子学』(Molecules)誌に掲載された研究のレビューでは、ブドウ種子エキスがヒトアミロイド消化酵素に良い影響を与え、血管障害の初期症状を改善したことが述べられています。この兆候は2型糖尿病患者の約37%に存在し、通常、糖尿病による腎疾患の発症前に現れるのが多いことが判明しました。
6. 循環器系疾患の予防
ブドウ種子エキスには、心臓の健康に対する更なる効果もあります。心血管疾患の指標となる炎症のマーカーであるCRP(C-reactive protein)のレベルを大幅に低下させることが研究で明らかにされています。2019年の『食品科学技術雑誌』(Journal of Food Science and Technology)に掲載されたインドの研究者による論文では、ブドウ種子エキスが心血管疾患や動脈硬化を予防する可能性を示唆しています:
・低密度リポ蛋白の酸化を抑制する
・血圧を下げる
・炎症の抑制
・血小板凝集抑制作用
・特定のタンパク質を活性化し、細胞の老化を防ぐ
また、ブドウ種子エキスは、組織への脂肪の蓄積を最小限に抑え、さらに脂肪代謝酵素への作用により食事の脂肪吸収を抑制することが示されました。全体として、このブドウの天然化合物は、心臓の酸化ストレスを軽減する強力な効果があり、心不全の軽減に役立ちます。
ブドウ種子エキスは適量であれば安全性が高いとされていますが、ブドウに関連する食物アレルギーのある人、妊娠中や腎機能の低下している人、薬の服用中は、医師に相談の上、摂取するかどうかを判断してください。
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